思い込みと現実の狭間5
前回予告していましたが、今回のテーマは、なぜ「距離・風・充填圧」だけを注意するだけで獲物が獲れるか?
と言うお話です。
 
実は今回のこのテーマ、始まりはS県在住のOさんからのこんなメールでした。
 
 はじめまして、S県在住のOと申します
 
 〜中略〜
 
 豆鉄砲さんの場合、「距離・風・充填圧」だけを注意するだけで問題無いとの事ですが、
 
 その一方で、色々な部分に拘って射撃や猟をされている人もいます。
 そこで疑問なのですが、こだわりを持った人がある程度の猟果を上げる事が可能なのは解りますが、
 そのようなこだわりを持っていない人でも、同等かそれ以上の猟果を上げています。
 これはなぜでしょうか?
 猟場環境の違いと言えばそれまでですが、その部分を差し引いても、私は釈然としません。
 「こだわる事で何が変るのか」「どんなメリットがあるのか」納得できる説明をお願いします。
 
いや〜解りますよ、その疑問(笑)
だってそうですよね、エアライフルの射撃に関するさまざな考えを、長いモノサシだとしましょう。
そして、今ご自身が、その真ん中辺りの場所でエアライフル射撃への考え方について悩んでいるとします。
そして一方の端では豆鉄砲みたいなのが、「距離・風・充填圧」だけに注意すれば、他の部分は実にアバウトで
大丈夫ですよ〜、と主張しているのに、もう一方の端では重箱の隅を突付いて、穴を開けるんじゃないかと
思えるぐらい色々な部分にこだわって、そのこだわりこそが優秀なエアライフルハンターへの道だ!
みたいなコトを主張している訳です。
そうなればどの辺りにご自身の考え方の基準を置くべきか悩みますよね〜、真実がどちらにあるにしても。
 
ならばその判断基準の一つにと、その猟果はどうなのかと調べて見れば、どうもこだわっている方々は
その主張に見合う程に猟果を上げているようには見えないんですよね〜。
それで、そのコトを指摘しますと、
 
「オレはヘッドショットオンリーでこだわっているから」
 
と言う答えが返ってくるんですが、その根底には、
 
「オレはオマエらと違って、獲物の品質にもこだわって難しいコトをしているんだよ!」
 
と言う主張が垣間見えるんですが、実を言うと、最近知った豆鉄砲の結論では、ヘッドショットの獲物は品質の
高い獲物にはなり得ません。
これは家畜の屠殺方法とヘッドショットを良く比較すると違いに気付けまして、その疑問をベースに色々と調べる
とその疑問が解決します。ただその答えをココに書くつもりはありません、疑問のある方がご自身で調べれば良い
と思います。
 
と言う訳で、毎度おなじみの枕が終わったトコロで本題に入って行きたいと思います(笑)
 
なぜ「距離・風・充填圧」なのか?
結論から言いますと、射手がコントロール出来る要素がコレしかないからです(笑)。
多分この段階でアッチコッチから「ふざけんな!」とブーイングが出ているとは思いますが、順番に説明して
行きましょう。
 
距離
まずは距離ですが、コレは皆様ご存知のように、距離によって着弾位置が変ってきます。距離を目測する時、
実際に1〜2m程度の誤差でしたら、着弾位置に大して影響を与えませんが、それ以上を超えると、途端に着弾に
影響を与えます。そして距離の目測ですが、訓練を積んだり、通い慣れた猟場ならある程度正確な距離の目測は
可能ですが、そうでない場合、10m単位で誤差が発生する可能性もある訳です。
そう言う理由の為、正確な射撃を行う為には、距離の測定が重要だと豆鉄砲は考えています。
 

次に風なんですが、これはある程度の風であれば風を無視するか、ほんの僅か気持ち程度の修正をすれば着弾に
あまり影響を与えません。こう言うコトを書くと、弾道計算ソフトが大好きな人が、シミュレーションデータを
突きつけて、鬼の首を獲ったように、その間違いを指摘したりするのですが、弾道計算ソフトが導き出すデータ
と言うのは、射手の位置からターゲットまで、常に同じ方向から同じ強さで風が吹いているコトが前提の計算結果
でして、実際の猟場では風は吹いたり止んだりしますし、障害物などによって風の流れが変ったりするので、
経験上、あまり弾道計算ソフトはアテになりません。
それよりも、猟場の実情や経験に基づいて、「この場所でこの風ならこの程度の修正」と言う経験則が大事だと
豆鉄砲は考えています。そう言う意味で、豆鉄砲は風を読むのが大事だと思っています。
 
充填圧
最後に充填圧なのですが、コレは安定した着弾を得る為の目安だからです。(一般的なプレチャージだと、一回の
充填でおよそ15〜20発が目安のようです)そしてこの時、間違えてはいけないのは弾速のデータに振り回されない
コトです。
 
しかし、弾道計算ソフトが大好きな方は、この時、すぐに弾速を測定してその弾道をシミュレーションしようと
します。そして、単に着弾位置の確認だけなら問題ないんですが、こう言う方々は往々にして、すぐに弾速の
数値を変更して、「もう少しパワー重視で弾速を上げよう」とか「もう少しパワーがあれば低伸進弾道性が向上する」
とか言い出して、弾速の変更をしようとしますが、コレは大きな間違いです。
 
一般的な30FP前後のパワーを持つプレチャージの場合、このパワーがあれば100m先のカモやキジの胴体を手羽元の
骨をヘシ折ったまま、余裕で貫通します。無論、ネック(首)であっても余裕で貫通です。
 
 ※弾道計算ソフトは、あくまで銃口付近で測定された弾速に基づき、二次元での弾の軌道を計算するだけでして、
   弾と弾速がマッチしていなくて、まともに使えないような弾速でも計算に基づいて軌道を計算しているだけ
   なんです。
   この部分を間違えて、マッチしていない弾速にも関わらず、なんとか良いグルーピングを出そうとして
   自称セッティングの無間地獄に落ちる方が一時大量に発生しましたので注意しましょう。
 
ですから、安定した着弾を得る充填圧が判明したら、その後にチャンスがあったら弾速を測定し、チャンスが
無ければ、メーカー発表のパワーを基準に着弾位置の計算をしてみて下さい、実測後に多少のパワーの変動が
あっても何の問題もありません。
と言う訳で、猟場において、安定した着弾を得る為に充填圧の確認が大事だと豆鉄砲は考えています。
 
その他の部分の有効性は?
ここまで書くと、これまでグルーピング向上に努力して来た方々が、「距離・風・充填圧」以外にも
 
「○○だって××だって大事だ〜!、オメーは何にも判ってね〜んだ!」
 
と怒り出しそうなんですが、冷静になって考えて見ましょう。
S410の平均的なグルーピングは50mで25mmぐらいだと思います。
そしてFXサイクロンの平均的なグルーピングは20mmぐらいだと思います。
この時、間違えないで欲しいのは、このグルーピングはあくまで平均グルーピングであって、ベストじゃありません。
自称上級者が射場で、「フライヤー」扱いにするグルーピングも含めての数値です。
そして、FXサイクロンは豆鉄砲の記憶だと、2003年に発売されたと思います。
 
しかし2010年だったと思いますが、FX社から「スムースツイスト・バレル」と言う新バレルを搭載した銃が発表され
ました。 コレはご存知の方も多いと思いますが、基本はスムースボアで、先端の1インチ程度の部分が12角形の
ポリゴンになっているバレルでして、色々調べると、どうやらパテントまで申請しているスゴイバレルのよう
なんですよね〜。
 
それでココからが本題なんですが、国内でも銃砲店さんがテストしていましたが、このバレルを搭載していると、
50mで16mm程度のグルーピングになるんです。この結果、偶然の可能性もありますが、同じようなテストをした
海外のサイトでも同様の結果でしたのでほぼ間違いないと思います。
※銃砲店さんによれば、サイクロンも既にスムースツイスト・バレルに変更され、グルーピングが更上している
  そうです。
 
つまり、2003年のサイクロン発売から数年間に渡り、日本は元より、世界中のエアライフル愛好者が、より良い
グルーピングを目指して、いろいろ努力していたと思いますが、日本は元より、グルーピングを改善するような
パーツ製造も問題ないような国からも、結局、上記の平均20mmを超えるグルーピングを出せるセッティング方法や
デバイスが提案されるコトはありませんでした。
まぁ、ひょっとしたら商標などの関係上、あまり大っぴらに発表するコトが出来ない可能性もありますが、
これだけネットが発達していれば、噂の一つも立ちそうですが、そんな噂は全くありませんでした。
 
これはどう言うコトなのか・・・?
つまり、もう素人が何か一手間を加えるコトで、劇的にグルーピングを向上させるのが不可能だと言うコトであり、
メーカーの開発力の前では、一個人の思い込みや、過去の常識や知識にはなんの価値も無いと言うコトなんです。
 
無駄とも思える努力の積み重ねが・・・とばかりに努力されてた方には残念なお知らせですが、それはもう単なる
自己満足の世界で、その先に究極のグルーピングなんて存在しないんです。
そりゃそうですよね〜、装薬のライフルだったら、グルーピング向上の特効薬はバレル交換なのにも関わらず、
そのバレルを交換しないまま、チタン撃針とかに交換して「グルーピングが〜」とか騒いでいるようなモノですから、
判っている人からすれば「アホやろ、アイツは?」となるに決まってます。
つまり、そう言う物ゴトの本質が見えていない頭の悪いコが、「セッティングが〜」と騒いでいただけなんですね(笑)。
 
そしてそんな状況下で、唯一着弾やグルーピングに影響するのが、基本的に「距離・風・充填圧」なんです。
この三つの要素以上にグルーピングに影響を与える要素は多分無いと思います。
もしご不満がある方は、ご自身で実験などをして、それを世間は発表すればいいと思います。
 
誤差の範囲を考える
それまでエアライフルと言うのは、より細かい部分を追求すればグルーピングが向上すると思われてきました。
そしてその流れの中で、距離や空気の密度、撃ち上げ撃ち下ろし等によるに着弾の誤差が言われてきた訳です。
しかし、豆鉄砲がこれまでにその中のいくつかについて検証してきましたが、それらの誤差の多くがせいぜい
ミリ単位の誤差でした。
当然、この誤差について非常に大きいと感じる人も居れば、豆鉄砲のように「誤差の範囲」で片付けてしまう
人も居る訳ですが、これらの誤差が生じているとして、どの程度命中率に違いがあるか考えたコトがある
でしょうか?
 
エアライフルでハンティングをする場合、皆様ご存知の通り、初弾で獲物への致命傷を与えられない限り、獲物を
ゲット出来る可能性はひどく低下してしまうので、ある意味、初弾の命中率=捕獲率とも言えると思います。
そこでこのコトを踏まえた上で、豆鉄砲は自分のグルーピングと相談して、初期の頃は、手羽元辺りの直径25mmを
キルゾーンに設定して狙っていました。そしてその後はpart.35で書いたように、思うトコロがあって、ネック
狙いに変更したり状況に応じてそれまでのキルゾーンを狙っている訳ですが、先程述べたような誤差が発生しても
それを「誤差の範囲」と無視してた豆鉄砲の場合、命中率はどの程度変化すると思いますか?
 
と言う訳で、直径25mmのキルゾーンに対し、50mで25mmのグルーピングが出せるのであれば、命中率100%なんですが、
現実の猟場では風が吹いたり、距離を読み違えたりしてキルゾーンとグルーピングがズレてしまう訳です。
そこで、キルゾーンの中心からズレた時の命中率の変化=捕獲率の変化を計算してみたいと思います。
計算の概念は下図の通りです。
 



 
面積の出し方は、基本的に、扇形の面積を出して、そこから三角形の面積を引いて二倍すればイイんで、
本来だったら、一から豆鉄砲が説明するのがイイんですが、情報や考えと言うモノは自分の理解以上には
人に伝えられないモノなので
「二つの円の重なる面積」
とかで検索してみて下さい、多分、豆鉄砲がするよりも理解しやすい説明がイッパイ出てきます(笑)
それで、以下が25mmのキルゾーンと、25mmのグルーピングの重なりから計算した命中率の表とグラフです。
 
二点間の距離と面積の関係


二点間
の距離
(mm)
重なる
面積の
割合
直径の
重なる
割合
二点間
の距離
(mm)
重なる
面積の
割合
直径の
重なる
割合

二点間
の距離
(mm)
重なる
面積の
割合
直径の
重なる
割合
0.0
100.00
100.00
10.0
50.46
60.00
20.0
10.41
20.00
0.5
97.45
98.00
10.5
48.14
58.00
20.5
8.92
18.00
1.0
94.91
96.00
11.0
45.84
56.00
21.0
7.50
16.00
1.5
92.37
94.00
11.5
43.57
54.00
21.5
6.15
14.00
2.0
89.82
92.00
12.0
41.32
52.00
22.0
4.90
12.00
2.5
87.29
90.00
12.5
39.10
50.00
22.5
3.74
10.00
3.0
84.76
88.00
13.0
36.91
48.00
23.0
2.68
8.00
3.5
82.23
86.00
13.5
34.75
46.00
23.5
1.75
6.00
4.0
79.72
84.00
14.0
32.62
44.00
24.0
0.95
4.00
4.5
77.21
82.00
14.5
30.53
42.00
24.5
0.34
2.00
5.0
74.71
80.00
15.0
28.48
40.00
25.0
0.00
0.00
5.5
72.22
78.00
15.5
26.46
38.00
6.0
69.74
76.00
16.0
24.48
36.00
6.5
67.27
74.00
16.5
22.55
34.00
7.0
64.82
72.00
17.0
20.66
32.00
7.5
62.38
70.00
17.5
18.81
30.00
8.0
59.96
68.00
18.0
17.02
28.00
8.5
57.56
66.00
18.5
15.28
26.00
9.0
55.17
64.00
19.0
13.59
24.00
9.5
52.81
62.00
19.5
11.97
22.00

二点間の距離と面積の関係



 
ここで皆さんが考えるのは、ではキルゾーンを16mmとかに設定して、25mmのグルーピングだった場合に
どうなるのかと言った、「異なる円の重なる面積」だと思うんですが、実は豆鉄砲もコレを計算で出せれば
エエな〜と思って知恵熱が出るまで頑張ったんですが、轟沈しました(笑)
※どうも計算だけでは出そうになく実測が必要な感じです。
 
そこで、キルゾーンを手羽元・ネック・ヘッドに設定しまして、それらを狙うのに必要なグルーピングを
それぞれ、16mm・20mm・25mmとして、命中率の変化を計算してみました。
 
50mで25mmのグルーピングだった場合に、25mmのキルゾーンを狙った時の命中率変化の一覧


二点間
の距離
(mm)
50m
(%)
60m
(%)
70m
(%)
80m
(%)
90m
(%)
100m
(%)
二点間
の距離
(mm)
50m
(%)
60m
(%)
70m
(%)
80m
(%)
90m
(%)
100m
(%)
0.0
100.00
69.44
51.02
39.06
30.86
25.00
13.0
36.91
25.63
18.83
14.42
11.39
9.23
0.5
97.45
67.68
49.72
38.07
30.08
24.36
13.5
34.75
24.13
17.73
13.57
10.73
8.69
1.0
94.91
65.91
48.42
37.07
29.29
23.73
14.0
32.62
22.66
16.64
12.74
10.07
8.16
1.5
92.37
64.14
47.13
36.08
28.51
23.09
14.5
30.53
21.20
15.58
11.93
9.42
7.63
2.0
89.82
62.38
45.83
35.09
27.72
22.46
15.0
28.48
19.77
14.53
11.12
8.79
7.12
2.5
87.29
60.62
44.54
34.10
26.94
21.82
15.5
26.46
18.37
13.50
10.34
8.17
6.61
3.0
84.76
58.86
43.24
33.11
26.16
21.19
16.0
24.48
17.00
12.49
9.56
7.56
6.12
3.5
82.23
57.11
41.96
32.12
25.38
20.56
16.5
22.55
15.66
11.50
8.81
6.96
5.64
4.0
79.72
55.36
40.67
31.14
24.60
19.93
17.0
20.66
14.34
10.54
8.07
6.38
5.16
4.5
77.21
53.62
39.39
30.16
23.83
19.30
17.5
18.81
13.06
9.60
7.35
5.81
4.70
5.0
74.71
51.88
38.12
29.18
23.06
18.68
18.0
17.02
11.82
8.68
6.65
5.25
4.25
5.5
72.22
50.15
36.85
28.21
22.29
18.05
18.5
15.28
10.61
7.80
5.97
4.72
3.82
6.0
69.74
48.43
35.58
27.24
21.52
17.43
19.0
13.59
9.44
6.94
5.31
4.20
3.40
6.5
67.27
46.72
34.32
26.28
20.76
16.82
19.5
11.97
8.31
6.11
4.68
3.69
2.99
7.0
64.82
45.01
33.07
25.32
20.01
16.21
20.0
10.41
7.23
5.31
4.07
3.21
2.60
7.5
62.38
43.32
31.83
24.37
19.25
15.60
20.5
8.92
6.19
4.55
3.48
2.75
2.23
8.0
59.96
41.64
30.59
23.42
18.51
14.99
21.0
7.50
5.21
3.82
2.93
2.31
1.87
8.5
57.56
39.97
29.37
22.48
17.77
14.39
21.5
6.15
4.27
3.14
2.40
1.90
1.54
9.0
55.17
38.32
28.15
21.55
17.03
13.79
22.0
4.90
3.40
2.50
1.91
1.51
1.22
9.5
52.81
36.67
26.94
20.63
16.30
13.20
22.5
3.74
2.60
1.91
1.46
1.15
0.93
10.0
50.46
35.04
25.75
19.71
15.58
12.62
23.0
2.68
1.86
1.37
1.05
0.83
0.67
10.5
48.14
33.43
24.56
18.80
14.86
12.04
23.5
1.75
1.21
0.89
0.68
0.54
0.44
11.0
45.84
31.83
23.39
17.91
14.15
11.46
24.0
0.95
0.66
0.49
0.37
0.29
0.24
11.5
43.57
30.26
22.23
17.02
13.45
10.89
24.5
0.34
0.24
0.17
0.13
0.10
0.08
12.0
41.32
28.69
21.08
16.14
12.75
10.33
25.0
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
12.5
39.10
27.15
19.95
15.27
12.07
9.78

50mで20mmのグルーピングだった場合に、20mmのキルゾーンを狙った時の命中率変化の一覧


二点間
の距離
(mm)
50m
(%)
60m
(%)
70m
(%)
80m
(%)
90m
(%)
100m
(%)
二点間
の距離
(mm)
50m
(%)
60m
(%)
70m
(%)
80m
(%)
90m
(%)
100m
(%)
0.0
100.00
69.44
51.02
39.06
30.86
25.00
10.5
36.37
25.25
18.55
14.21
11.22
9.09
0.5
96.82
67.23
49.40
37.82
29.88
24.20
11.0
33.68
23.39
17.19
13.16
10.40
8.42
1.0
93.64
65.03
47.77
36.58
28.90
23.41
11.5
31.05
21.56
15.84
12.13
9.58
7.76
1.5
90.46
62.82
46.15
35.34
27.92
22.61
12.0
28.48
19.77
14.53
11.12
8.79
7.12
2.0
87.29
60.62
44.54
34.10
26.94
21.82
12.5
25.96
18.03
13.24
10.14
8.01
6.49
2.5
84.13
58.42
42.92
32.86
25.96
21.03
13.0
23.51
16.32
11.99
9.18
7.26
5.88
3.0
80.97
56.23
41.31
31.63
24.99
20.24
13.5
21.12
14.67
10.78
8.25
6.52
5.28
3.5
77.83
54.05
39.71
30.40
24.02
19.46
14.0
18.81
13.06
9.60
7.35
5.81
4.70
4.0
74.71
51.88
38.12
29.18
23.06
18.68
14.5
16.58
11.51
8.46
6.48
5.12
4.14
4.5
71.60
49.72
36.53
27.97
22.10
17.90
15.0
14.43
10.02
7.36
5.64
4.45
3.61
5.0
68.50
47.57
34.95
26.76
21.14
17.13
15.5
12.37
8.59
6.31
4.83
3.82
3.09
5.5
65.43
45.44
33.38
25.56
20.20
16.36
16.0
10.41
7.23
5.31
4.07
3.21
2.60
6.0
62.38
43.32
31.83
24.37
19.25
15.60
16.5
8.55
5.94
4.36
3.34
2.64
2.14
6.5
59.36
41.22
30.29
23.19
18.32
14.84
17.0
6.81
4.73
3.48
2.66
2.10
1.70
7.0
56.36
39.14
28.76
22.02
17.40
14.09
17.5
5.20
3.61
2.66
2.03
1.61
1.30
7.5
53.40
37.08
27.24
20.86
16.48
13.35
18.0
3.74
2.60
1.91
1.46
1.15
0.93
8.0
50.46
35.04
25.75
19.71
15.58
12.62
18.5
2.44
1.69
1.24
0.95
0.75
0.61
8.5
47.56
33.03
24.27
18.58
14.68
11.89
19.0
1.33
0.93
0.68
0.52
0.41
0.33
9.0
44.70
31.04
22.81
17.46
13.80
11.18
19.5
0.47
0.33
0.24
0.18
0.15
0.12
9.5
41.88
29.08
21.37
16.36
12.93
10.47
20.0
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
10.0
39.10
27.15
19.95
15.27
12.07
9.78

50mで16mmのグルーピングだった場合に、16mmのキルゾーンを狙った時の命中率変化の一覧


二点間
の距離
(mm)
50m
(%)
60m
(%)
70m
(%)
80m
(%)
90m
(%)
100m
(%)
二点間
の距離
(mm)
50m
(%)
60m
(%)
70m
(%)
80m
(%)
90m
(%)
100m
(%)
0.0
100.00
69.44
51.02
39.06
30.86
25.00
8.5
35.69
24.79
18.21
13.94
11.02
8.92
0.5
96.02
66.68
48.99
37.51
29.64
24.01
9.0
32.36
22.47
16.51
12.64
9.99
8.09
1.0
92.05
63.92
46.96
35.96
28.41
23.01
9.5
29.11
20.22
14.85
11.37
8.99
7.28
1.5
88.08
61.17
44.94
34.41
27.19
22.02
10.0
25.96
18.03
13.24
10.14
8.01
6.49
2.0
84.13
58.42
42.92
32.86
25.96
21.03
10.5
22.90
15.91
11.69
8.95
7.07
5.73
2.5
80.19
55.69
40.91
31.32
24.75
20.05
11.0
19.96
13.86
10.18
7.80
6.16
4.99
3.0
76.27
52.96
38.91
29.79
23.54
19.07
11.5
17.13
11.90
8.74
6.69
5.29
4.28
3.5
72.37
50.26
36.92
28.27
22.34
18.09
12.0
14.43
10.02
7.36
5.64
4.45
3.61
4.0
68.50
47.57
34.95
26.76
21.14
17.13
12.5
11.87
8.24
6.06
4.64
3.66
2.97
4.5
64.67
44.91
32.99
25.26
19.96
16.17
13.0
9.47
6.57
4.83
3.70
2.92
2.37
5.0
60.87
42.27
31.06
23.78
18.79
15.22
13.5
7.24
5.03
3.69
2.83
2.23
1.81
5.5
57.11
39.66
29.14
22.31
17.63
14.28
14.0
5.20
3.61
2.66
2.03
1.61
1.30
6.0
53.40
37.08
27.24
20.86
16.48
13.35
14.5
3.40
2.36
1.73
1.33
1.05
0.85
6.5
49.73
34.54
25.37
19.43
15.35
12.43
15.0
1.86
1.29
0.95
0.73
0.57
0.46
7.0
46.13
32.03
23.53
18.02
14.24
11.53
15.5
0.66
0.46
0.34
0.26
0.20
0.17
7.5
42.58
29.57
21.72
16.63
13.14
10.65
16.0
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
8.0
39.10
27.15
19.95
15.27
12.07
9.78

 
と言う訳で、自分の実力を見誤り、分不相応な狙い方をしようとすると、恐らく本人の想像する以上に
命中率が低下すると言うか、ほとんど無駄な努力になってしまいます。
コレは何と言いましょうか、高校3年の夏休みが終わった段階で偏差値35以下にも関わらず、東大を受験する
ようなモノで一種の記念受験みたいなモンでしょうか? 
まぁ確率的に可能性はゼロではありませんが、ほとんど無駄な努力と思って間違いないと思います。
つまり、50mオーバーであるにも関わらず、「オレはヘッドショット狙いだから」と言うのは、一見すごい
コトを言っているように思えても、それは単に現実が見えていないアンポンタンな考えな訳です。
どうしてもヘッドショットがしたければ、地ベタ這い蹲って獲物への距離を詰めるか、狙いそのモノを
もう少し確率の高いモノに変更しないと意味がありません。
 
実猟ベースで考える
ここまでは計算上の話でしたが、そろそろ実際のケースで考えてみましょう。



 
この獲物は、2009年2月14日に獲った獲物で、着弾位置を見て欲しいのですが、どちらもほぼ同じ位置に
着弾していまして、ほぼ豆鉄砲の狙い通りに着弾していますが、この時も考慮したのは「距離・風・充填圧」
だけでした。
この獲物、猟日記を読んで頂ければ判るのですが、どちらも距離は50mです。
そして日記には書いてありませんが、一方は獲物との位置関係が、ほぼ水平で、もう一方は約9〜10m程度の
高低差がありました。そこで実猟時に50mを狙う時、なにも狙いを修正しないと、狙点から最大でどの程度
ズレが生じるのか考えてみます。
 
気温と気圧による着弾誤差
まず気温と言うか空気の密度ですが、豆鉄砲の場合、大体猟期前の9〜10月ぐらいの時期に最終調整と確認を
兼ねて射場に行くのですが、その時の気温は20〜25℃くらいでしょうかね。
そして当日は日記にもありますが、非常に気温が上がり、春のような陽気でしたので、気温の差はほとんど
無いと思います。 気圧に関しても射場との高低差は無視出来るレベルなので同一だと思います。
 
高低差による着弾誤差
コレはpart.55で計算しました「射撃距離による高低差とその水平距離の関係」から導きまして、一応、距離の
差を1mとします。 そして、弾速を280m/sに設定しまして、距離50mと49mの着弾時間を単純に、距離/弾速から
計算しまして、その時間から落下量を単純に、落下量=1/2×9.8×時間×時間 の計算式から導きますと
 
50m 50÷280≒0.179(秒)  落下量=1/2×9.8×0.179×0.179=15.7cm
49m 49÷280≒0.175(秒)  落下量=1/2×9.8×0.175×0.175=15.0cm
 
落下量の差=15.7-15.0=0.7cm=7mm(上下)
 
弾速による着弾誤差
たしかこの時は、射撃前に充填していたので、弾速の誤差はあっても、せいぜい±5m/s以内だと思います。
 
着弾誤差 ±5mm(上下)
 
風による着弾誤差
この日は着弾を乱すような風は吹いていなかったと思いますし、風の影響を考えて狙いを変更することは
無かったです。  
 
風による着弾誤差 0mm(左右)
 
そしてこれらを全て合計すると、2.0〜12.0mmとなりまして、中心からの距離なので、そのまま2.0〜12.0mm
となります。 この数値を日頃、50mで25mmのグルーピングがあれば十分と主張する豆鉄砲を基準にすると、
命中率の表から、大体41〜89%の命中率となります。
※風の影響(左右の着弾誤差)も考慮する場合は、三角関数を使って、斜辺の長さを計算して下さい。
 
この幅を高いと思うか低いと思うかはご自身の主観ですが、豆鉄砲としては、まぁこんなモンだろうと納得
しています。
 
そして、この2.0〜12.0mmの誤差が存在するとして、コレを猟場において、リアルタイムで補正出来るか?
と言えば本当の意味で経験を積んで、猟場での射撃時のコトが判っている人ならは不可能だと思うハズです。
 
もし無理矢理にでも補正するとしても、2.0〜12.0mmの補正を正確に行う為には、最低限「バイポッド+伏射」
などの安定した射撃体勢が必要であり、そのような体勢やサイトの補正までの時間を稼ぐ為には、獲物に気付かれ
ないように、匍匐前進などをして慎重に獲物に接近する必要があります。
 
つまりコレはどう言うコトかと言うと、ハンティングにおいて獲物をスコープに捉えてトリガーを引く射撃技術
と言うのは、ハンティングのテクニックとしては、全体の1/3程度の重要度しか無いんです。
今時のプレチャージであれば、「距離・風・充填圧」だけに注意しておけば、スコープに獲物を捉えれた段階で、
ほぼハンターの勝ちで、それでも外すと言うコトは単に自身がヘタなだけなんです。
そしてこのヘタと言う部分を素直に認めたくない、単にプライドの高いだけのクズみたいな連中が、
「銃が〜」とか「セッティングが〜」とか「スコープが〜」と能書きを垂れて文句を言っているだけなんです。
 
本当は、それよりも重要なのは、いかに獲物に接近するとかのストーキング技術や、獲物の発見方法などなんですが、
こう言う技術は、文字や言葉だけで人に伝えたりするのは非常に難しく、また非常にドロ臭いモノなので、コトの
本質を理解した人しか学ぼうとしないモノなので実に厄介なモノです(笑)。
 
ここまでのまとめ

 
実は、豆鉄砲も最初にこのエアライフルの世界に足を踏み入れた時、全ては計算でコントロール可能だと思っていました。
つまり空気の密度などで着弾位置などは変るハズなので、そう言う部分を突き詰めれば、非常に高い命中精度を
叩き出せると思っていましたし、科学的な計算に基づけば、全てを制するコトが可能だと思っていました。
 
しかし色々な意味で経験を積んだ現在では、その考えは全く違っていまして、この世界で最も必要なのは勘と
センスだと思っています。そして、複雑な計算や高価な道具、そして能書きだけで獲物が獲れるなら誰も苦労は
しないとも思っています。(※ここで言う勘とは、経験に基づく言語化出来ていない理論のようなもので、そこから
導かれるひらめきだと思って下さい)
 
そして今、豆鉄砲は猟果と言うモノに対して、大事なのは数字ではなくて、その中身だとも思っています。
確かに獲れないより、獲れるに越したコトはないですが、その中身が「獲れた」か「獲った」でその意味合いが
大きく変ってきます。
 
目先の猟果に囚われて遠射で獲物を獲るコトを否定はしませんが、長い期間で考えた場合、ソレを正当化して
しまうと、自身のハンターとしての成長を止めてしまうものだと豆鉄砲は思っています。
 
要するに、ある程度の技術をマスターすれば、後は場数を踏んだ人の方が上手いと言うコトなんです。
そしてこの考えに行き着いた人には、ある程度の満足出来る猟果があった人が多いと言うコトも事実です。 
 
どの道を選ぶのかはご自身の自由ですが、豆鉄砲としては、気楽な道を選ぶのをオススメしております(笑)