思い込みと現実の狭間2
また同じようなタイトルで、コレを読んでいる皆様からすると
 
「また同じようなネタかよ、もっと他のネタ無いの?」
 
と呆れられそうなんですが、正直ね、もう手詰まりなんですよ(笑)
 
もっと言うと、アクセス解析を見ると、こう言う「怪しい伝説」系のネタの方が人気があるんです。
そりゃそうですよね〜、訳の分からん理屈をこね回してアレコレ言ってる輩に対し、正面切って
 
 「オマエ、バカだろ?」
 
って言い切ってしまうこの手のネタは、読むだけなら面白いですからね〜(笑)
 
そう言う訳で、面白そうなネタが無い現状では、しばらくはこう言った重箱の隅を突付くようなネタでお茶を濁し、
細々とサイトの維持管理をしていく所存です(笑)
 
キャリブレーション
エアライフルを所持している方で、その中でも、特にグルーピングを追求される方々は、その過程において、
グルーピング結果が物理法則に則った現象だと言うコトに早々に気が付きます。 となると、当然のコトとして、
 
「発射の条件を揃えれば結果は同じになるハズ」
 
と言う結論に達します。 この条件を揃えるコトを、「再現性の確保」と言ったりするんですが、要するに、
同じ充填圧や、その他モロモロの条件を揃えてやれば、同じトコに着弾するハズってコトですね。
 
ソコで、モノの本やネットの情報で、役に立つと太鼓判を押して勧められてる計測器のラインナップが
 
・圧力を揃える為の圧力メーター
・ペレットの重量誤差を量る電子天秤
・各ネジの締め具合を揃えるトルクレンチ
・設定通りの弾速が出ているのか確認する弾速計
・その他モロモロ
 
と、このようになっております(笑)
 
コレを見れば、普通の方なら「そりゃそうだよな」って納得すると思います。
それで財布の中に多少のアブク銭でもあって、目の前に商品があれば、多分お買い上げでしょう(笑)
 
ただ、こう言うモノを買って、セッティングがどうこうと主張される方々の運用方法には多少の疑問があります。
それは、機器のキャリブレーション(校正)をしているのか?ってコトです。
 
どんな測定機械も、時間が経つと正確な測定は出来なくなります。その為、あらゆる測定機械は定期的に
キャリブレーション(校正)をするコトによって、正確性と信頼性を確保します。
 
身近なトコロでは、車のスピードメーターも車検時にその誤差のチェックがあり、基準よりもズレてると修理する
必要があります。
そう言う訳で、測定機器を使って、真っ当に仕事をされている方は、その機器を定期的にキャリブレーションして
いるハズです。
 
しかし、所持者の持つ測定機器はどうでしょうか?
 
例えば「圧力メーター」、豆鉄砲の手元には、銃、充填アダプター、ハンドポンプと3種類の圧力メーターが
ありますが、この3つの圧力メーターの値が一致したコトがありません、ドレも微妙にズレてます。
豆鉄砲の場合、ズレてるコトを承知で、充填アダプターの圧力メーターを基準しているんですが、
例えばネットなどで、「○○の銃は、××弾を使用して、充填圧は△△だ」と充填圧力を言い切ってしまう方の
圧力メーターは校正済みの信頼のおける正確なモノなのでしょうか?
そして、それを聞いた人が試してみて、同じ結果が出せなかった時、単に「個体差」の一言で片付けてしまっても
イイものなのでしょうか?
 
例えばペレットの重量誤差を測る「電子天秤」 コレには、0.1gr単位でも量れる電子天秤が比較的安い値段
でもあります。 その測定精度に関してはあえて判断を保留しますが、使う方は、測定時にキチンと水平を
出して使っているでしょうか? 0.1grと言えば、0.006479891gですから、その重量を計測するコトになれば、
水平を出すコトは重要なハズなんですが、ペレットの重量誤差にこだわる程に、機器の水平が出ているのか
確認しているのでしょうか?
 
例えば「トルクレンチ」、豆鉄砲の知人に、仕事で日常的にトルクレンチを使っている人が居るんですが、
その人が言うには、トルクレンチは1年も使うと狂うんで、販売店に依頼して校正に出すそうなんです。
そうすると、販売店の方でチェックして、どれだけ目盛りをズラして使えば良いのか教えてくれるそうなんですが、
トルクレンチを利用していると言う銃所持者の中で、実際、校正に出したって話は聞いたコトがありません。
ですから本人としては規定トルクで締めたつもりでしょうが、実際のトコロ、ソレが正確なトルクかは分かりません。
 
例えば「弾速計」、特に一部のエアライフル所持者においては、銃身の先端に取り付ける簡易的な弾速計
であっても、その測定結果に絶対的な信頼を持って、ソレを基準にモノゴトを判断されたりしてますが、その
表示された値が本当に正しいのかは誰にも分かりません。 まぁ、買ってスグはある程度信頼出来るでしょうが、
校正をしないまま使用を続ければ、その表示される値は、目安程度の信頼性しか無いと思いますが、その辺り、
使っている方はどう思っているのでしょうか?
「数字が出るから安心出来るし、科学的で信頼も出来る」なんてのは、単なる気休めでしかありません。
そして、そんな気休め程度の数字を基準に弾道計算ソフトの設定条件をイジくり、自称「セッティング」とやらを
語るのが、果たして科学的で正確性のあるコトなんでしょうか?
 
豆鉄砲も、これらの機器を買うコトに関しては、個人の自由なんで、ど〜でもイイと思うんですが、これらの機器を
使用している方にとっては、「再現性の確保が出来て安心」なんだと思います。
でも実際のトコロ、キャリブレーション(校正)をしていない測定機器で各種条件を揃えても、そんなモノは単なる
自己満足でしかありません。
 
ただ射撃の場合、コレは多分にメンタル面に影響されやすいんで、こう言った機器でセッティングと称されるモノを
すれば、射手自身には自信がついて良い結果が出るコトもあります。
しかしコレも諸刃の剣でして、結果が悪かった場合、なまじ、知識と意味の無い自信だけはあるので、訳の分からない
妄想にとりつかれる可能性があり、その治療には時間が掛かります(笑)
 
コサインインジゲータ
  
 銃を撃つ時、完全な水平で撃つ機会は少ないと思います。実際には多少の角度をつけて射撃をするでしょう。
 その為、撃ち上げ・撃ち下ろしでは、狙いを修正して射撃を行います。
 ちなみに、撃ち上げ・撃ち下ろし、どちらでも場合でも、基本的に距離は短くなります。
                                               part39「怪しい伝説」より

今となっては、多くの方が知る事実です。それでこの事実なんですが、こう言った図とかで説明されていると思います。
 



 
そうなると世の中には便利な道具があるもので、角度を測る道具「コサインインジゲーター」と言うモノが存在します。
コレも先ほどと同様、財布の中にアブク銭がちょっとあれば、「じゃあ、ひとっ走りして鉄砲屋に買いに行くか」と言う
風になると思うんですが、ちょっと冷静になって考えて見ましょう。
 
猟場で撃ち上げで狙うコトになると思うキジバトやヒヨドリなんですが、コレは木の上に居ると思います。
そして、その高さは、距離に関わらず、せいぜい二階建ての木造家屋の屋根程度の高さだと思います。
逆に、川の水面とかに居るカモを狙う時、その高低差は距離に関わらず、せいぜい堤防の土手ぐらいの高さから
水面までだと思うんですが、そうなると、やはり二階建ての木造家屋の屋根程度の高低差になると思います。
大体の二階建て木造家屋の屋根の高さは、せいぜい5〜6m程度になると思いますが、では、30mなり50mの
距離で、その高低差を狙う時の角度って、いったい何度ぐらいだと思います?
 
たとえば先ほどの図で、角度が30°の場合、その獲物までの高さはどの程度のモノなのか? 
コレは三角関数のtan(タンジェント)を使えば計算は可能で、計算式は以下の通り。
 
高さ=tanθ(30°)×底辺の長さ(今回の場合は、51.96m)
   =29.99m
 
え〜皆様、50mの距離から、高低差30mのトコを狙ったコトあります? 豆鉄砲は無いですよ、そんな状況(笑)
 
つまり、世間で言われてる、cosθの説明で使われている数値と言うのは、実際の猟場の状況とは、随分と違いが
あると言うコトです。 となると、猟場における現実的な標的の高さの場合、その角度はどの程度のモノなのか?
三角関数は辺の比を表してるので、先ほどの図の場合でのtanθの値は
 
tanθ=高さ/底辺
 
でも表せます。
 
てな訳で、それぞれの辺の長さの比から角度を求めるのには、この場合、数学的にはarctan(アークタンジェント)を
使えば求められるので、高低差15mまでの各射撃距離における角度を計算してみました。
 
射撃距離による高低差とその角度の関係


単位 (°)
距離30m
距離40m
距離50m
距離60m
距離70m
距離80m
距離90m
距離100m
高低差 0m
0
0
0
0
0
0
0
0
1m
2
1
1
1
1
1
1
1
2m
4
3
2
2
2
1
1
1
3m
6
4
3
3
2
2
2
2
4m
8
6
5
4
3
3
3
2
5m
9
7
6
5
4
4
3
3
6m
11
8
7
6
5
4
4
3
7m
13
10
8
7
6
5
4
4
8m
15
11
9
8
6
6
5
5
9m
17
13
10
8
7
6
6
5
10m
18
14
11
9
8
7
6
6
11m
20
15
12
10
9
8
7
6
12m
22
17
13
11
10
8
8
7
13m
23
18
15
12
10
9
8
7
14m
25
19
16
13
11
10
9
8
15m
27
21
17
14
12
11
9
8

射撃距離による高低差とその水平距離の関係


単位 (m)
距離30m
距離40m
距離50m距離60m距離70m距離80m距離90m距離100m
高低差 0m
30.00
40.00
50.00
60.00
70.00
80.00
90.00
100.00
1m
29.98
39.99
49.99
59.99
69.99
79.99
90.00
100.00
2m
29.94
39.95
49.96
59.97
69.97
79.98
89.98
99.98
3m
29.85
39.89
49.91
59.93
69.94
79.95
89.95
99.96
4m
29.74
39.80
49.84
59.87
69.89
79.90
89.91
99.92
5m
29.60
39.70
49.76
59.80
69.83
79.85
89.87
99.88
6m
29.42
39.56
49.65
59.71
69.75
79.78
89.81
99.83
7m
29.22
39.41
49.52
59.60
69.66
79.70
89.73
99.76
8m
28.99
39.23
49.38
59.48
69.55
79.61
89.65
99.69
9m
28.74
39.03
49.22
59.34
69.44
79.51
89.56
99.60
10m
28.47
38.81
49.04
59.19
69.30
79.39
89.46
99.51
11m
28.17
38.58
48.84
59.02
69.16
79.26
89.34
99.41
12m
27.86
38.32
48.63
58.84
69.00
79.12
89.22
99.30
13m
27.54
38.05
48.40
58.65
68.83
78.97
89.09
99.18
14m
27.20
37.76
48.16
58.44
68.65
78.81
88.94
99.05
15m
26.84
37.46
47.90
58.22
68.46
78.64
88.79
98.91

この値をどう捉えるのかは個人の自由ですが、豆鉄砲としては、エアライフルの最大でも100m程度の射撃距離では、
誤差の範囲と考えたいですね。 いや〜、思い込みの知識だけでモノゴトを語るのは怖いし恥ずかしいですね(笑)
 
でもここだけの話、コサインインジゲーターって、かっちょイイんですよね〜、付けてるとデキル人みたいで(笑)
まぁ、水準器と共に、エリマキトカゲ的なアクセサリーとしてはアリだと思います。
 
ちなみに、MOAとかミルドットとかの概念は、三角関数のtan(タンジェント)を利用しているので、少し勉強してみると、
MOAとかミルドットを考えた人達が、スゲー頭のイイ人だってコト分かります。
 
ここまでのまとめ

豆鉄砲がエアライフルを所持してスグの頃と言うのは、今ほど情報も無い為、グルーピングを追及するならば、
色々な部分を「より細かく、より正確に」ってのが基本でした。 
一部の業者においては、その細かい部分の追求こそが「優秀なエアライフルハンターへの道」であり、その為の
道具の宣伝していたような気がしますが、所持をしてそろそろ8年になる豆鉄砲としては、ソレが甚だ疑問であり、
アレは一部のエアライフル所持者が、単に業者に踊らされてただけのような気がします。
 
と言うか、やはり、最大でも100m程度の射程距離しか無いエアライフルにおいては、「距離・風・充填圧」の3点だけを
注意すれば、後は無視してもグルーピングにはあまり問題が無いと思いますが、皆様はどう思われるでしょうか?