アフターサービスT
アフターサービスのネタをナニにしようかと思案していたんですが、豆鉄砲のコンテンツの中で
アクセス解析の結果とかを見てると、猟日記に非常に根強い人気と言うかアクセスがあるんですよね〜。
 
と言う訳で、これまでAさんとの共猟で、昼の部に関しては猟日記で公開してきた訳ですが、
実際の猟では、昼の部と同じぐらいの時間、ホテルに帰ってから夜の部がありました。
 
しかし、狩猟には関係ない話しかしてなかったのと、所詮は
 
  『オッサン同士の喫茶店トーク』
 
レベルの会話でしかないので、これまでは割愛して来ましたが、実は結構笑える話がありまして、
今回は『アフターサービス』なので、狩猟に関係ない話を書いてもいいいだろうと判断して、
その一部をお送りしたいと思います。
 
ボッタクリ・ハンティングガイド計画
故・稲見一良さんの小説を読んでいると、ガイドを雇ってハンティングをしているシーンが出てきます。
豆鉄砲も狩猟免許を取ってすぐの頃は、ハンティングガイドを雇ってするハンティングにある種の疑問
みたいなモノを持っていたのですが、色々と経験を積み、元ハンティングガイドの人が書いた本や、
実際にハンティングガイドと言うモノに非常に高い能力が必要であることを理解してからは、考え方が
180°かわり、今では『ハンティングガイドもいいんじゃないの?』となっています。
 
そんな訳で、なんで日本ではハンティングガイドが流行らないのかとAさんに話したのが始まりです。
 
豆鉄砲「なんでハンティングガイドが流行らないんですかね?」
Aさん 「まぁ日本じゃそう言う、ガイドや見えないモノ、形の無いモノにカネ払う文化が無いからね。」
豆鉄砲「海外みたいにガイド雇って、確実に獲物が仕留めれる方が楽しくないですかね?」
Aさん 「それはそうだけど日本の場合、一度ガイドに案内された場所に次からは自分で行っちゃうからね」
豆鉄砲「あ〜そうですね〜、でも海外にはそう言う人は居ないんですかね?」
Aさん 「豆ちゃん、海外ではそう言う場所は、ほぼ私有地だよ」
豆鉄砲「あ〜そっか〜、向こうはスケールが違うか」
Aさん 「そうだよ、ダックコール(故・稲見一良の小説) の密猟志願みたいに、川の一部が
     私有地なんだから(笑)」
豆鉄砲「でも、勝手に入って密猟とかされないんですかね?」
Aさん 「日本と違って、そう言うトコに勝手に入れば撃たれても文句言えないから大丈夫(笑)」
豆鉄砲「あ〜そう言うコトか」
Aさん 「あとはお金だね、職業としてガイドだけで生計立てるなら、1人1日最低3万でも足りないし」
豆鉄砲「3万で足りないっスかね?」
Aさん 「だって猟期は実質3ヶ月で、その3ヶ月で1年分の稼ぎをしようとしたら一体幾らになるよ?」
豆鉄砲「あ〜そっか〜」
Aさん 「それと海外と比べるとフィールド自体が狭くて少ないし、シーズン中、毎日ガイドの仕事が
     ある訳でもないし、結局はアルバイト的なモンにしかならないよ」
豆鉄砲「そうですね」
Aさん 「あと海外って言うと、なんか自由に鉄砲撃ててハンティング出来そうな雰囲気だけど、
     実際は相当厳しいよ」
豆鉄砲「釣りとかもそうみたいですもんね〜」
Aさん 「まぁ〜、金があれば万事解決だけどね(笑)」
豆鉄砲「そっか〜、やっぱり日本でガイドって成立しにくいのか〜」
Aさん 「そうだね〜、専門でやってくのはムリでしよ。」
豆鉄砲「Aさんと廻る猟場のガイドで儲けれるかと思ったんですがね〜(笑)」
Aさん 「ハハハ、せいぜい小遣い程度にしかならないよ、ちなみに1人幾らのつもりだったの?」
豆鉄砲「1人1日1000円(キッパリ)」
Aさん 「エッ・・・ボクのあの猟場・・・、1000円しか価値が無いのかい・・・(泣)」
 
この段階でガイド料が1000円と聞いたAさんの顔は、捨てられた子犬のようでした(笑)
 
豆鉄砲「まぁ最後まで話を聞きなさいよ、アアタの弟子はちゃんと考えてるから(笑)」
Aさん 「ハイ、聞きましょう(半信半疑)」
豆鉄砲「あの猟日記であれだけ獲れてるのを読んでて、1日1000円なら誰でも行ってみようと
     思いますよね?」
Aさん 「そりゃそうでしょうよ、基本キジ・アオクビ オンリーで、しかもオス・メスと居たら
     選んで撃ってるしね」
豆鉄砲「だからオイラのサイトで、一組3名まで、シーズン計2組までの限定募集にするの」
Aさん 「ほうほう」
豆鉄砲「そうなりゃ募集殺到でしょう?」
Aさん 「だろうね〜」
豆鉄砲「でね、まぁ応募者の条件として、猟のことや猟場のコトをネットで公開しないと約束できる人を
      選ぶ訳だ」
Aさん 「それだけなの?」
豆鉄砲「まぁ〜あとは出来れば簡単にあの猟場に通えなさそうなトコに住んでる人ね」
Aさん 「ふんふん」
豆鉄砲「そんでね、応募者には『当日持って来るものは鉄砲だけで、後はお金だけ用意してね』って
      言っとくの。それで当日は猟場近くの○○駅までアアタの車で向かえに行く訳よ」
Aさん 「運転手は?」
豆鉄砲「アアタの車でしょ?アアタ以外にダレが運転するのよ?(笑)」
Aさん 「ボクは運転手なのかい?」
豆鉄砲「客への喋りとかサービスはダレがするのよ?アアタ客を相手にトークするかい?面倒だよ?」
Aさん 「運転手やっときます(笑)」
豆鉄砲「それでね、車には予め窓に目張りをしといて、周りの風景が見えないようにしとくの」
Aさん 「猟場がバレないようにか(笑)」
豆鉄砲「そうそう、でね猟場に着く少し前に、アリンコみたいに小さな文字で書いた契約書を用意するの」
Aさん 「ほうほう」
豆鉄砲「でさ、とりあえず○○(猟場の場所)に案内する訳だ」
Aさん 「うん」
豆鉄砲「それでアソコなら、シーズン初期ならアオクビの居鳥率は、ほぼ100%でしょ?」
Aさん 「だろうね」
豆鉄砲「当然、客はアオクビを見て色めき立つ」
Aさん 「だね」
豆鉄砲「だから契約書にサインしなきゃ撃てないって言って、ロクに確認させないまま契約書に
     サインさせるの(笑)」
Aさん 「そう来たか(笑)」
豆鉄砲「まぁ、その前のトークで善人ぶり全開で下地を作っとくんですけどね」
Aさん 「ふんふん」
豆鉄砲「でね、無線機とか準備させて諸注意とか一通り済ませて戦闘開始な訳です」
Aさん 「ほう」
豆鉄砲「あとはAさんの誘導をちゃんと聞けば、ほぼ100%の確率で撃てるでしょ?」
Aさん 「だろうね〜」
豆鉄砲「そんでアオクビは下流に向かって流れるけど、下流ではオイラがスタンバイして回収するよね?」
Aさん 「ふんふん」
豆鉄砲「当然、客は大喜びだ」
Aさん 「だろうね」
豆鉄砲「そこでやおらAさんが客に言う訳だ、『回収は別料金で一回5000円です』って(笑)」
Aさん 「客は怒らないかい?」
豆鉄砲「そりゃ『ふざけんな!』って怒るだろうね」
Aさん 「じゃあどうするの?」
豆鉄砲「そこでAさんがオイラに連絡を入れる訳だ『お客様が回収料金にご不満のようです』と」
Aさん 「で、どうなるの?」
豆鉄砲「ん?回収したアオクビを躊躇なく川にポイ(捨てる)」
Aさん 「アッハッハッ(笑)」
豆鉄砲「多分呆然とすると思うんだ(笑)」
Aさん 「だろうね」
豆鉄砲「当然文句言ってくると思うけど、例の契約書を盾に苦情を突っぱねると(笑)」
Aさん 「その為にサインを急かしたのか(笑)」
豆鉄砲「当然です(笑)」
Aさん 「じゃあ、次の場所ではどうするの?」
豆鉄砲「今度は『網を貸すよ』って言うの、使用は本人限定で一日8000円、回収の金額を考えれば絶対に
      全員借りる(笑)」
Aさん 「だろうね〜」
豆鉄砲「でも、あの猟場で初見の人が回収出来ると思う?」
Aさん 「まぁ〜ムリだろうね〜」
豆鉄砲「だよね〜、だから客の回収者の更に下流でスタンバイしとくの(笑)」
Aさん 「回収したら返せって言われないかい?」
豆鉄砲「だったら『一回5000円だよ』って言えばいいじゃん(笑)」
Aさん 「怒らないかい?」
豆鉄砲「だったら、また目の前でポイ(川に捨てる)すればいいじゃん(笑)」
Aさん 「鬼だ・・・(笑)」
豆鉄砲「多分、最初のうちは何度か自分達で回収しようとするたろうけど、そのうち諦めるでしょ?」
Aさん 「だろうね」
豆鉄砲「そんで、その頃にオイラは別行動して、予め猟場の下流側に仕掛けといた網に掛かったアオクビを
      回収しとくと(笑)」
Aさん 「ボクはどうしたらいいの?」
豆鉄砲「普通に案内して、料金を頂いたら回収を手伝えばいいですよ」
Aさん 「最後はどうするの?」
豆鉄砲「一日が終わったら、例の獲物を処理する場所に客を案内してあげて」
Aさん 「豆ちゃんは?」
豆鉄砲「そん時までにアオクビの羽引きの処理とか全部しといて、よく国道の脇とかでカニ売ってる人みたいに、
      『アオクビありマス(マスは□に\の枡)』の看板出して、一匹5000円で売るの、例の獲物を処理する
      場所の脇で(笑)」
Aさん 「悪魔だ・・・(笑)」
豆鉄砲「だもんで単純に一日の売り上げが、一組3名として、ガイド料が1000円×3、網のレンタル代が8000円×3、
     客本人が自分達で回収するのは多分不可能だから、アオクビの売り上げが大体一人3匹×3名分でトータル・・・
       7万は硬いね(笑)」
Aさん 「豆ちゃん・・・」
豆鉄砲「ナニ?」
Aさん 「なんでキミはそう言う才能を仕事で発揮しないの・・・?(呆)」
豆鉄砲「なんですよね〜こう言う詐欺的才能はあるんですけどね〜アハハ(笑)」
 
ハンティングのガイドって一見簡単そうですけど、その本質や本来の役目を知ると、とてもじゃない
ですが簡単な仕事じゃありませんね。
客や案内する人が獲物を撃てるようにセットしてあげると言うのは、言うほどラクなコトじゃありません。
 
 
銀盆フルーツ事件
Aさんとの共猟では、『誰が獲っても獲物は皆のモノ』と言う考え方があります。
なので獲物の分配に関しては、欲しい人が必要な分だけ持ち帰るパターンとなっていまして、
予め必要な数があれば、先に申告しておけば、その時の猟は必要量確保に全力を尽くしますし、
もし獲物の数が2匹しか獲れなくて、必要数が2匹であれば、必要な人が全て持ち帰ります。
 
それでお互いの関係がギスギスするかと言うと、全然そんなコトはなく、逆に必要以上に獲物が
獲れて、余分な分をお互いに押し付けあったりするコトの方が多かったです。
 
そしてもっと言ってしまうと、お互いが本当に美味しいと思って欲しいのは獲物の『骨』から出る
ダシなんで、獲物の肉にはあまり興味がなかったりします(笑)
 
そんな訳である時、思った以上に獲物が獲れてしまい、3匹ほどのアオクビの処理について困って
相談している時のコトです。
 
豆鉄砲「Aさん、オイラもう十分なんで後はAさん持ち帰って下さいよ」
Aさん 「ボクも十分だよ、豆ちゃん持ち帰んなよ」
豆鉄砲「ムリっス、前回の時のアオクビもまだ冷蔵庫に入ってるし、キャパいっぱいです」
Aさん 「冷凍すれば?」
豆鉄砲「オイラが冷蔵保管しかしないの知ってる癖に(笑)」
Aさん 「じゃあホントに要らないの?」
豆鉄砲「いいですよ、もう十分」
Aさん 「それなら処理は僕に一任でイイ?」
豆鉄砲「いいですよ」
Aさん 「だったらさ、ホテルの支配人にプレゼントしてもいい?」
豆鉄砲「支配人?いいですよ、でも大丈夫です?羽付きのカモなんて渡して?」
Aさん 「大丈夫だよ、あの支配人、昔はハンターしてたんだって。」
豆鉄砲「ハンター?ナニ獲ってたの?」
Aさん 「散弾でイノシシみたいだね」
豆鉄砲「でも突然渡したら困らない?」
Aさん 「大丈夫、この前話したとき、『カモ鍋なんていいですね〜』って言ってたし」
 
※ちなみに、ホテルの方は豆鉄砲とAさんが朝の10時にチェックアウトする、とても珍しい
 種類のハンターであることを知っています(笑)
 
豆鉄砲「じゃあ、話みたいの済んでるの?」
Aさん 「うん、『沢山獲れたらお持ちしますよ』って話たら『楽しみにしてます』って言ってたから」
豆鉄砲「だったら日頃お世話になってるし(豆鉄砲の車はホテルに置かしてもらってる)持ってきましょうよ」
Aさん 「そうしよっか」
 
てな訳でホテルに向かい、Aさんはアオクビを携えてフロントへ・・・その間、豆鉄砲は荷物の整理と積み下ろしです。
そしてしばらくするとAさんが戻ってきました。
 
豆鉄砲「どうでした?」
Aさん 「支配人居なかったんで、マネージャーに渡してきたよ」
豆鉄砲「朝には支配人の人居ましたよね?」
Aさん 「勤務時間終了で今日は帰ったみたい」
豆鉄砲「マネージャー、ドン引いてなかった?」
Aさん 「マネージャーのお兄さんがハンターらしくて、見慣れてるみたいだね(笑)」
豆鉄砲「へ〜、やっぱ田舎だと免疫ある人多いですね」
Aさん 「フロントの女の子覚えてる?」
豆鉄砲「ああ、朝にフロントに居た人ですよね?」
Aさん 「あの子も出てきて平気で見てたよ『うわ〜キレイ』って(笑)」
豆鉄砲「なんだかな〜(笑)」
Aさん 「意外と平気なんだよ」
豆鉄砲「じゃあ、今日はアオクビどうするんですかね?」
Aさん 「そのまんま調理場に持ち込むみたいだね」
豆鉄砲「調理場の人も大変だ(笑)」
Aさん 「それこそ厨房の人なら慣れてるよ」
 
と言う訳で帰りの途につき、途中でAさんと毎度寄る店に入って反省会と言う名のバカ話を少々・・・
 
豆鉄砲「やっぱアレですかね、次回は部屋のグレードとかアップですかね?」
Aさん 「あるかも知れないよ、特別室への招待(笑)」
 
※特別室は広さが通常の部屋の3倍ぐらいで料金は通常料金の5倍以上、豆鉄砲が毎回格安で利用している
  割引料金だと10倍を超えたりします(汗)
 
豆鉄砲「んじゃ、特別室でスキ焼きとかも?(笑)」
Aさん 「有り得るでしょ、スキ焼き(笑)」
 
※特別室では、以前に追加料金でスキ焼きのオプションがあると言うのを支配人の方から聞いています。
 
豆鉄砲「当然肉は、銘柄牛の口に入れると溶ける肉ですよね?(笑)」
Aさん 「そりゃあ、ホテルが変なモノ出す訳ないじゃないのよ(笑)」
豆鉄砲「おお〜、次回は豪華なオプションが付きますな〜(笑)」
Aさん 「豆ちゃん、そろそろこのバカ話止めてイイ?(笑)」
豆鉄砲「えっ?特別室じゃないの?(汗)」
Aさん 「当然でしょうよ(笑)」
豆鉄砲「じゃあスキ焼きも?(汗)」
Aさん 「当たり前じゃないの、料金考えなさいよ(笑)」
豆鉄砲「ああ〜、特別室とスキ焼きが消えて行く〜(寂)」
Aさん 「まぁ、特別室とかはムリでもなんか別のがあるよ」
豆鉄砲「じゃあ、ホテルのお食事に招待とかですかね?」
Aさん 「まぁその辺りじゃないの?(笑)」
豆鉄砲「言っちゃあ悪いけど、あのホテルのメシならあんま興味ないっス」
Aさん 「コラコラ、贅沢言うんじゃないよ(笑)」
豆鉄砲「だったら、銀盆にフルーツ盛り合わせとかの方がいいですなぁ(笑)」
Aさん 「ああ、ソッチの方が期待度高いかもね」
豆鉄砲「やっぱ銀盆にフルーツって言うと、ホテルならメロンとかアリですかね?」
Aさん 「あるんじゃないの、メロンぐらい(笑)」
豆鉄砲「一度体験してみたかったんですよ、銀盆に盛られたフルーツ(笑)」
Aさん 「アハハ(笑)」
豆鉄砲「でもやっぱ、銀盆に盛るならトロピカルフルーツがいいな(笑)」
Aさん 「トロピカルフルーツかい?」
豆鉄砲「そうそう、訳のわからん見たコトないようなフルーツと、パイナップルみたいなのが丸ごと刺さった、
     ブルーハワイみたいな色のカクテルと一緒に(笑)」
Aさん 「流石にトロピカルフルーツはムリじゃないの?場所も季節も違うし(汗)」
豆鉄砲「じゃあ、みかんとリンゴですか?」
Aさん 「まぁそんなモンでしょ」
豆鉄砲「いきなり庶民的になったな・・・(笑)」
Aさん 「豆ちゃん、ホテルのフルーツだよ、その辺のフルーツと一緒にしちゃダメだよ」
豆鉄砲「そう言えば、ホテルのバーとかのフルーツ、メッチャ美味いですモンね〜」
Aさん 「そりゃヘタなモン使えないしね」
豆鉄砲「そうかそうか、じゃあ次回は銀盆のフルーツで(笑)」
Aさん 「楽しみにしてなさいよ(笑)」
豆鉄砲「いや〜たまりませんな〜(笑)」
 
てな感じのバカ話で盛り上がりまして、その日は終了しました。
そして次の出猟で一日も終わり、ホテルに向かいましてAさんがチェックインを終わらせて部屋を聞くと・・・
 
豆鉄砲「部屋はドコですか?(期待度100%)」
Aさん 「いつもの部屋だよ」
豆鉄砲「え〜っ、いつもの部屋?(汗)」
Aさん 「さすがに特別室は無いよ(笑)」
豆鉄砲「え〜、スキ焼き〜(笑)」
Aさん 「いいから早いトコ荷物部屋に入れるよ」
豆鉄砲「え〜(ブウブウ)」
 
などと文句を垂れつつも、一応荷物も部屋に入れまして一服・・・
 
豆鉄砲「あの〜特別室は?」
Aさん 「ここじゃ不満かい?」
豆鉄砲「スキ焼き〜」
Aさん 「いい加減に諦めなさいよ〜(笑)」
豆鉄砲「え〜、チェックインの時、フロントでなんか言われなかったの?」
Aさん 「支配人の人が『この前はありがどうございます』ってお礼言ってくれたよ」
豆鉄砲「じゃあ、なんで特別室じゃないのよ?(笑)」
Aさん 「豆ちゃん、ナニ言ってるのよ、これからだよ、こ・れ・か・ら(笑)」
豆鉄砲「?」
Aさん 「だからこの後ホテルの人が来て、『こちらにお部屋をご用意してます』ってなるんだよ(笑)」
豆鉄砲「あ〜そう言うコトか〜、ってカモ3匹でなる訳ないじゃん(笑)」
Aさん 「だろうね〜(笑)」
豆鉄砲「やっぱ銀盆フルーツの方が確実かな?」
Aさん 「そうだよ、もうじき部屋に運ばれてくるよ」
 
なんてなコトを話してましたら、部屋の電話が鳴りまして
 
 ♪PuPuPu
 
豆鉄砲Aさん「!」
 
豆鉄砲「でっ、電話だよ!誰?」
Aさん 「誰だろ?」
豆鉄砲「アアタ出なさいよ、アアタの名前で部屋取ってるんだから」
Aさん 「そっ、そうだね・・・」
 
てな訳でAさんが電話を取りまして、話してる内容を聞いてますと・・・
 
Aさん 「はい・・・、ハイ・・・、そうですか、お待ちしてます」
 
と一方的な会話で電話は終わってしまいました。
 
豆鉄砲「誰だったの電話の相手は?」
Aさん 「ホテルの人、『お渡ししたいモノがありますが、今から伺ってよろしいでしょうか?』って」
豆鉄砲「まさかまさか! 来たきたキタ〜銀盆フルーツ!!(笑)」
Aさん 「マジで来ちゃったかな?(汗)」
豆鉄砲「ホテルの演出も憎いですな(笑)」
Aさん 「しっかし、カモ3匹ぐらいでソレじゃ、逆に恐縮しちゃうよ(汗)」
豆鉄砲「まぁまぁ、今晩は高級フルーツを堪能しましょうや(笑)」
Aさん 「いやいや、フルーツだけじゃないかもよ」
豆鉄砲「まさか、すき焼き・・・?」
Aさん 「有り得るかもよ、相手は支配人だし(笑)」
豆鉄砲「まさに『エビで鯛』とか『わらしべ長者』の世界ですな(笑)」
Aさん 「でもなぁ、マジでなんだろ?」
豆鉄砲「まさかアアタの仕込みじゃないよね?」
Aさん 「そんな面倒なコトする訳ないじゃないよ」
 
なんてコトを話してましたら・・・ コンコン←ドアからノック音
 
豆鉄砲「来た来た、銀盆フルーツ!(笑)」
Aさん 「ホントに来ちゃったかな?」
豆鉄砲「はっ、早く出なさいよ(焦)」
Aさん 「そっ、そうだね(焦)」
豆鉄砲「アアタ、決して『期待してました』みたいなニヤけた顔してちゃダメだよ」
Aさん 「なんだか恐縮しちゃうな(汗)」
 
↑部屋のノックからこの間、僅か5秒間の会話(笑)
 
とりあえずAさんがドアに向かいまして、豆鉄砲は一応部屋には鉄砲がある訳なんで、万が一ドアの向こうに
賊がいる場合を想定して待機しますが、ドアの外に居たのは見たコトがある従業員だったので一安心(笑)
 
そしてAさんとナニヤラ話しています。
会話の内容までは聞こえませんが、一応会話も終わったようでAさんが戻ってきます。
しかし、その手には銀盆のフルーツがある訳でなく、替わりに一枚の紙を持っていました・・・?
 
豆鉄砲「ソレなに?今晩の食事の目録かい?」
Aさん 「ホテルの・・・領収書・・・(汗)」
豆鉄砲「どう言うコトよ?」
Aさん 「ホテルの人が『先ほど、お渡し忘れましたので』って」
豆鉄砲「じゃあ、領収書届ける為に電話してきたってか!(怒)」
Aさん 「まぁ・・・そう言うコトだね・・・(汗)」
豆鉄砲「領収書とかど〜でもイイのよ、銀盆のフルーツは?(怒)」
Aさん 「ある訳ないじゃない!(怒)」
豆鉄砲「そんな〜コレだけ盛り上げといて、この気持ちどうしてくれるんだよ!(怒)」
Aさん 「知らないよ! 大体ねぇ、カモ3匹で銀盆フルーツ盛合わせと思う方がオカシイんだよ!(怒)」
豆鉄砲「アアタだって散々盛り上げただろ〜が!(怒)」
Aさん 「しっかし、この落差はデカイね〜(笑)」
豆鉄砲「最後はAさんですら騙されましたからなぁ・・・(笑)」
Aさん 「このオチは想像出来なかったな・・・(汗)」
豆鉄砲「まぁ、そうですな〜、しっかし、久々に笑わしてもらいました(笑)」
Aさん 「だね〜(笑)」
 
その日の夜、Aさんとの風呂からの帰りに支配人と遭遇しまして・・・
 
支配人「先日は結構なモノをありがとうございます」
Aさん 「いえいえ、お気になさらず」
 
などと話してましたら、支配人さんから『お礼を・・・』と言う話になりまして、結局アオクビ3匹は
 
カキの種1袋、裂きイカ1袋、地元の名前が入った焼き菓子(パイ) の3点に化けました。
 
部屋に戻って・・・
 
豆鉄砲「あの〜、想像してたのと違って妙に庶民的なんですが・・・(笑)」
Aさん 「まぁ、このくらいシッカリしてないと、ホテルの経営なんで出来ないよ(笑)」
豆鉄砲「元々アオクビだって、タダですモンね〜」
Aさん 「まぁ、日頃世話になってるんだし、いいじゃないの(笑)」
豆鉄砲「ですよね〜、これだけ好き放題出来るホテルなんて初めてですよ(笑)」
 
Aさんと豆鉄砲は、このホテルで随分と好き放題してますが、ナニをしているかは流石に書けません(笑)
 
 
エスキモーピノ事件
豆鉄砲が小学生の頃、親の仕事の都合でとあるド田舎に引越しました。
今でこそ田舎にもコンビニなんぞがありますが、その当時の田舎の食料事情を支えていたのは、
今では絶滅危惧種となった店舗「よろず屋」でした。
一応、「よろず屋」をご存知ない若い世代の方にどんなモンかと説明しますと、
大体が八百屋さんか何かがベースで、肉や魚を店舗の一部で扱い、更に日用品まで扱うある種の
コンビニみたいなお店です。
 
さて田舎に引越した豆鉄砲少年、子供といえば駄菓子ですが、そんなド田舎に駄菓子屋なんざ
ありません。当然先程書いたような「よろず屋」が豆鉄砲少年の駄菓子供給ラインになるバス
なんですが、そんな「よろず屋」にまともな駄菓子なんぞあるハズがありません。
 
そんな訳で、当時の豆鉄砲少年のお菓子事情はどうだったかと言うと、普通の大人が食べるような
煎餅やクッキーを食べる毎日で、別に駄菓子に纏わる思い出みたいなのはあまり無いのですが、
その代わりエスキモーピノには忘れられない思い出があります。
 
皆様、エスキモーのピノはご存知でしょうか? そうです、あのチョコレートでコーティングされた
一口サイズのアイスです。
 
あれはド田舎に引越して1年ほどした後でしょうか、テレビだったと思いますが、エスキモーピノ
のCMが流れましてね、そのCMの中で艶やかなチョコでコーティングされたピノがテレビ画面の中を
グルグル動く訳です。
そしてCMの最後の方では、ピノの断面なんががアップで映る訳ですよ。
そうすると、表面はもうコゲ茶色の艶やかなチョコレートで、中に純白のアイスがありまして、
そのアイスの断面なんか、高級アイスの表面みたいに何と言いますか、こうザラっとした感じの
質感をしていて、とてつもなく美味そうに見える訳です。
 
ソレが当時の田舎に住む豆鉄砲少年にはとっても魅力的に映りまして、そのCMを何度も見ると当然、
 
「食べたい!」
 
となる訳です、まぁ広告屋さんの勝利ですね(笑)
 
しかし、こんなド田舎にそんなモノは無いと知っている豆鉄砲少年は半分諦めていたのですが、
ある夏の日、小銭を握り締めてホームランバー(当時30円でした)を買いに何気なく例の「よろず屋」
に向かった豆鉄砲少年、お店の冷凍ケースのガラス扉を上から覗くと、そこにはなんとあのピノが
鎮座してるじゃないですか!
いや〜、嬉しかったですね〜、でもその時持っていたのは30円、当然ピノは買えません。
更にピノは当時150or200円位だったので、その頃、月の小遣いが500円程度だった豆鉄砲少年には、
結構な高級品でした。
 
そこでエスキモーピノを獲得すべく、翌月の小遣い支給日を一日千秋の思いで待ち続け、ついに
エスキモーピノを買えるだけの小遣いをゲットした豆鉄砲少年、やっとこの日が来たとばかりに
「よろず屋にGo!」な訳です(笑)
そして、よろず屋に向かう道中、
 
「ひょっとして、売り切れてたらどうしょう?(ドキドキ)」
 
なんて心配をしつつ「よろず屋」にある冷凍ケースの中を確認すると、先日発見した時と同じままに、
エスキモーピノが数個鎮座しておりまして、その中の一つを早速購入して小走りに家に持ち帰り、
パッケージのセロファンを取り去る儀式を済ませ、期待度120%でパッケージを開けると・・・
 
「エッ、どう言うコト?(汗)」
 
あのですね、エスキモーピノはCMでは艶やかなこげ茶色のチョコレートでコーティングされていた
一口サイズのアイスだった訳ですよ。
 
でもね、でもね、豆鉄砲少年の目の前にあるのは、ボンヤリとした薄茶色いチョコレートの表面に薄っすらと
霜の付いた、艶やかなこげ茶色とは全く掛け離れた一口サイズのアイスな訳ですよ。
 
しかもCMでは完璧な円錐台形の一口サイズのアイスだったのに、中にあるピックでピノを一つ刺して底を見ると、
なんか底面もデコボコしている訳ですよ・・・。
まぁ製造方法を考えれば当然なんですが、当時の豆鉄砲少年にそんなコトが解かる訳もなく、非常に落胆した訳
なんですが、それでも当時の純粋な心を持つ豆鉄砲少年は考えました。
 
・田舎のよろず屋の冷凍ケースじゃ保管状態も悪いんだろう。
・きっとアレは偶々アタリが悪かったに違いない。
・あのピノは5〜6コ位縦積みされていた一番上だから、他のは大丈夫に違いない。
 
まぁなんてウブでバカなんでしょうね、豆鉄砲少年は(笑)
後年、インチキ詐欺師相手に迎撃ミサイルと核弾頭を容赦なく撃ち込む片鱗も見えません。
これじゃ典型的な騙され続ける詐欺被害者の思考パターンですよ・・・(笑)
 
そこで最初のピノ購入から2週間後、今度は大丈夫だろうと再度エスキモーピノを購入しましたら・・・
 
「エッ、どう言うコト?(汗)」←二回目
 
ここで本来であれば、月々500円の小遣いなんで、せいぜいもう一回ピノを買って騙されて終了なんですが、
最悪のめぐり合わせってあるんですよね〜、なんと豆鉄砲少年の婆さまがこのド田舎に遊びに来まして、
豆鉄砲少年に臨時の小遣いを追加したのがその不幸の始まりです(笑)
ずばり、その金額は1000円! 勘の良い方ならもうお気づきでしょう、で、どうなったか・・・
 
「エッ、どう言うコト?(汗)」←三回目
 
「エッ、どう言うコト?(汗)」←四回目
 
「エッ、どう言うコト?(汗)」←五回目
 
正直ね、四回目辺りで薄々気付いてたんですが、当時の豆鉄砲少年はテレビが嘘をつく訳が無いと
思ってましたし、CMで流れてる商品と実際買う商品は全く同じモノだと思っていた訳です。
そして減り続ける小遣いに反比例するようにピノに対する猜疑心だけが募る訳なんですが、よろず屋の
冷凍ケースに残るピノはあと一つ・・・、そして僅かに残る希望を胸に最後の一個を購入して確認すると・・・
 
「エッ、どう言うコト?(汗)」←六回目
 
もうね、あの時はテレビとお菓子メーカーに騙されたと言うショックでしばらく放心状態でしたよ(笑)
 
 
なんて話をAさんとしてましたら・・・
 
Aさん 「豆ちゃん、あれナニで出来てたか知ってる?」
豆鉄砲「ナニってCMのピノですか?」
Aさん 「そうそう(笑)」
豆鉄砲「CGじゃないんですか?」
Aさん 「時代を考えなよ、そんなモンある訳ないじゃん」
豆鉄砲「あっそうか、なら蝋ですか?食品サンプルと同じで?」
Aさん 「残念違います、蝋じゃ撮影のライトの熱で溶けちゃうよ」
豆鉄砲「ああそうか、撮影のライトって強力ですもんね〜、なら塩ビ(塩化ビニール)ですか?」
Aさん 「残念、ソレも違います(笑)」
豆鉄砲「え〜っ?蝋じゃなくて塩ビでもない・・・分かんねぇなぁ〜なんだろ?」
Aさん 「さてなんでしょう?」
豆鉄砲「分かんない、ギブ」
Aさん 「正解は『石膏』です」
豆鉄砲「ああ、石膏かぁ〜」
Aさん 「実は石膏の練り方にコツがありましてね(笑)」
豆鉄砲「へぇ〜、Aさん詳しいですね」
Aさん 「うん、ボクが作ったから」
豆鉄砲「はぁ?」
Aさん 「だから、アレはボクが作ったの、よく出来てたでしょ?(笑)」
豆鉄砲「オッサンちょっと待たんかい!アンタそんな仕事してたんかい!!」
Aさん 「仕事じゃないよ、遊び」
豆鉄砲「遊びだぁ?事情を聞かせてもらおうか・・・」
Aさん 「え〜っとね、偶々○○の趣味関係で知り合った人でね、その人CMの撮影道具とかを作るのが仕事だったの」
豆鉄砲「へぇ〜そんな仕事があるんだ(驚)」
Aさん 「まぁ当時はCGとか無いし、CMで使う道具は全部そう言う職人さんが作ってたみたいね」
豆鉄砲「アアタホントに変なトコに不思議な知り合いが居るよね(笑)」
Aさん 「まぁね(笑) でさ、その人のトコ遊びに行ったら、CM用のピノの製作を依頼されていて悩んでた訳だ
    『半分に切った時のアイスの質感が出ない』って」
豆鉄砲「プロでも悩むんだね〜(驚)」
Aさん 「まぁその人は塩ビとかが得意と言うか、ホントの専門は別なんだけどね」
豆鉄砲「ホントの専門って?」
Aさん 「化粧品メーカーの容器とかの試作品作りがメインで、その流れでCM用の小道具も作ってたみたい」
豆鉄砲「へぇ〜、ところで塩ビでナニ作るの?代表作とかは?」
Aさん 「う〜んと、豆ちゃんでも覚えていそうな当時の分りやすいモノだと、ハムとかかな?」
豆鉄砲「ハム?食べるハムのコト?」
Aさん 「そう、当時のハムのCMとかって、大自然をバックに焚き火の前でって感じだったでしょ?」
豆鉄砲「ああそうだそうだ、確かに外国のアウトドアシーンだった」
Aさん 「だからCMの撮影用に形の整ったハムを作ってたりしてたよ」
豆鉄砲「メーカーなら形の整ったハムを選べはイイんじゃないの?」
Aさん 「豆ちゃん、海外に日本のハムは持ってけないよ、検疫とかの絡みで」
豆鉄砲「パッケージだけ持ってって、向こうのハムを詰めたら?」
Aさん 「そんな面倒なコトするより、日本から偽ハム持ってった方が早いし確実だよ」
豆鉄砲「ああそっか、じゃあピノの続きを」
Aさん 「じゃあ話を戻して・・・、それでアイスのザラっとした質感が塩ビじゃ出ないって悩んでたの」
豆鉄砲「だよね、塩ビじゃミッチリとした質感しか出そうにないし、それで?」
Aさん 「だからアドバイスしてあげたの『石膏』を使えばいいと思うよって」
豆鉄砲「アアタ石膏屋さんだっけ?」
Aさん 「いや○○が××で△△に使ったりするから」
豆鉄砲「ああそう言うコトか、でどうなったの?」
Aさん 「じゃあ『作って』って話に(笑)」
豆鉄砲「それだけ?」
Aさん 「そう」
豆鉄砲「作ったの?」
Aさん 「作ったよ、アレは石膏の練り方と水分量にコツがありましてハイ・・・(笑)」
豆鉄砲「まさか塗装も全部?」
Aさん 「当然です(キッパリ)」
豆鉄砲「てコトは、オイラは石膏で出来たアイスに心躍らせてたってコト?」
Aさん 「まぁ、そう言うコトだね」
豆鉄砲「・・・謝れ!」
Aさん 「はぁ?」
豆鉄砲「いたいけない少年の心を弄んだコトを謝罪しろ!」
Aさん 「騙される方が悪いんだよ、まぁアレはボクの自信作の一つだったけど(笑)」
豆鉄砲「クソっ! 幼き日にいたいけなオイラを騙したヤツが目の前にいるとは・・・」
Aさん 「いや〜そっか〜、アレに騙されたヤツがいたんだ、バカだねぇ(笑)」
豆鉄砲「アレは騙されるでしよ、スゲー美味そうだったよ」
Aさん 「なんだったらもう一回作ろうか?(笑)」
豆鉄砲「全く、あの日からだよ、世の中全てをナナメに見るようになったのは」
Aさん 「良かったじゃない、勉強になって」
豆鉄砲「良かねぇよ! 絶対訴えてやる!!」
Aさん 「もう時効だよ(笑)」
豆鉄砲「ところで下世話な話、ナンボ貰ったの?」
Aさん 「ナンボってお金かい?」
豆鉄砲「そうそう」
Aさん 「タダだよ」
豆鉄砲「えっ!タダ?」
Aさん 「だってボクは本職じゃないし、アレは『遊び』だったし(笑)」
豆鉄砲「ヒマだったのかい?」
Aさん 「そうじゃなくて、その替わりボクもその人にタダで仕事してもらったしね」
豆鉄砲「バーターってコトか」
Aさん 「そうそう」
豆鉄砲「ってコトは、ピノだけじゃないと」
Aさん 「うん、さっき言ったハムもボクだよ(笑)」
豆鉄砲「道理で詳しいハズだよ(呆)」
Aさん 「結構楽しかったよ」
豆鉄砲「そりゃそうだろよ『人を騙す仕事』だしな!(怒)」
Aさん 「そんな人聞きの悪いコトを言わないでよ『人に夢を見せる仕事』だよ(笑)」
豆鉄砲「夢見せられた方は大損だよ!まったく(怒)」
Aさん 「勉強になったじゃないの(笑)」
豆鉄砲「勉強になったじゃね〜よ! 被害者を前に言うコトがあるでしょうよ?」
Aさん 「ああ、騙される人ってこう言う顔してたんだね(笑)」
豆鉄砲「他に言うコト無いのかい?」
Aさん 「無いねぇ(笑)」
豆鉄砲「コレがオレを騙してたヤツの正体か・・・(呆)」
 
とまぁ、こんなおバカな話をしている最中に思い出しました。
 
このエスキモーピノ事件と時を同じくして、豆鉄砲少年が騙された案件がもう一つありまして・・・
当時、雪印から『宝石箱』と言う名前のアイスが出ていました。
コレは覚えている方も居ると思いますが、ベースはバニラアイスで、中に宝石(ルビーorエメラルド)を
模したクラッシュしたイチゴ味の氷か、メロン味の氷が入っていまして、これもCMでは当時人気の
ピンクレディが出ていたんですが、CM内のこの宝石は、まるでホンモノの宝石のように透明感がありまして、
感覚してはカキ氷のシロップを原液のまま透明感をもったまま固まらせた感じだったんです。
 
それでこの『宝石箱』を食べたのは友達同士でどこかに行って、その出先にあった自動販売機から
買ったんですが、その時もエスキモーピノ事件と同様、純白のバニラアイスの中に、宝石を模した
氷がCMと寸分違わぬ状態で入っていると思って買ったんですよ、エメラルドのメロン味を・・・。
それで今だったら冷静になって考えれば、水は0℃で凍るのでカキ氷のシロップを凍らせても、
最初に凍るのは水分で、その後に糖分が凍るので透明感をもったままシロップが凍るコトは無く、
実際には冷凍庫の霜を押し固めたような白濁した感じに凍る訳なんですが、当時の豆鉄砲少年が
そんなコトを知る由も無く・・・
 
「エッ、どう言うコト?(汗)」←七回目(笑)
 
いや〜ショックでしたよ〜、またCMと違うモンが目の前にある訳ですから(笑)
 
と言う訳で、先ほどのピノの話の最中に、こんな話を思い出しましたよとAさんに話ましたら・・・
 
Aさん 「ゴメン豆ちゃん、ソレもボク・・・(笑)」
豆鉄砲「なんだとコラ! くぁwせdrftgyふじこlp・・・」
 
え〜、豆鉄砲はオッサンAさんの被害者の会を結成し、謝罪と賠償を求めていく所存です。
無論最高裁まで争う気満々ですんで、全国の被害者の皆様、是非ご連絡を!(笑)
 
豆鉄砲「アンタ、少しは罪悪感とかないのかよ・・・?」
Aさん 「や〜い、騙された〜(笑)」
豆鉄砲「末代まで呪ってやる!」
 
 
裏口入学
Aさんの職業と言うのはちょっと珍しい仕事でして、豆鉄砲もAさんに出会うまではその職業の人に出会う
コトも無かったですし、その職業の存在自体を意識することすら無かったです。
 
ただAさんにその職業のコトを教えてもらって改めて考えてみると
 
『ああ〜そんな職業もあるんだろうな〜』
 
となります。
 
と言う訳で、Aさんの職業を具体的にナニと公開する訳にはいかないんですが、一応職人的な仕事をしている
Aさんなんですが、豆鉄砲の勝手なイメージとして
 
『職人的仕事=中学or高校卒業後に親方の元で修行』
 
とか、そう言った感じのイメージなんですが、Aさんとの話で判明したその最終学歴はなんと大卒!
 
正直言って、Aさんの世代的にはまだまだ大学進学率も低かったハズですし、豆鉄砲にはAさんの職業と
大卒がリンクしなかったので、思わずどんな大学のどんな学部かを聞いてしまったのがコトの始まりです。
 
豆鉄砲「Aさんって大卒って話だけど、ドコ大学卒なの?」
Aさん 「○○大学の××学部」
豆鉄砲「エエ大学出てんじゃん(驚)」
Aさん 「そうかい?」
豆鉄砲「ところでその大学の学部とAさんの職業がリンクしないんだけと?」
Aさん 「ああ〜、ソレは○○が××で・・・(途中省略)・・・△△だから◇◇な訳」
豆鉄砲「ナルホドね〜、そんじゃ高校の時に将来のコト考えて○○大学の××学部へ行こうと思ったの?」
Aさん 「そんなんじゃないよ」
豆鉄砲「じゃあなんでよ?シャレで入れるようなトコじゃないでしょうに?」
Aさん 「あのね、ボクの場合は裏口だから(笑)」
豆鉄砲「裏口って、よくある冗談の裏門から通学してたってコトかい?(笑)」
Aさん 「じゃなくって、マジで裏口入学だから(笑)」
豆鉄砲「マジモンの裏口かい?『なべやかん』で有名になった??(汗)」
Aさん 「そうそう(笑)」
豆鉄砲「説明・・・してもらおうか・・・(汗)」
Aさん 「あのね、ボクが高校の頃、近所にあるお家の中学生の面倒を見てたの」
豆鉄砲「家庭教師とかかい?」
Aさん 「そんなんじゃなくって、その家が両親とも働いていたんで、ちょっとした遊び相手みたいなもんだね」
豆鉄砲「それが裏口とどう繋がるのよ?」
Aさん 「でさ、高校2年の夏頃だったかな、そろそろ進路をどうしようかって思ってる時に、その家のパパさんから
      『キミは進路をどうするつもりだい?』って聞かれたのよ」
豆鉄砲「それで?」
Aさん 「本当は進学する気とか無かったんだけど、半分洒落で『進学のつもりです』って答えたら
     『じゃあボクところの大学に来てみないかい?』って話になったのよ」
豆鉄砲「それで進学を選んだの?」
Aさん 「だってちょっとゴネたら『試験の時にはボクの名前を出せばいいから』って言われて退けなくなったし(笑)」
豆鉄砲「それで○○大学の××学部を受験しようと?」
Aさん 「そうだね、正確には少し違うけど、ソコまで言われて、今更洒落とは言えない雰囲気にもなったし(笑)」
豆鉄砲「どう言うコト?」
Aさん 「実はその当時、ドコの大学を受けるのか、あまり良く知らずに返事してたのよ(笑)」
豆鉄砲「えっマジ・・・?(汗)」
Aさん 「そうなんだよね〜、今から考えると不思議だけど、当時は何にも思わなかったんだよね〜(笑)」
豆鉄砲「結局、いつの時点で大学名を知ったの?」
Aさん 「厳密には、大学名は試験を受ける時で、学部については入学直後だね(笑)」
豆鉄砲「ありえねぇ・・・(汗) ところで、そのパパさんってナニモノなの?」
Aさん 「○○大の教授」
豆鉄砲「もう少しマトモなウソとか冗談はないのかい?(呆)」
Aさん 「今更豆ちゃん相手にウソ言ってどうするよ?(笑)」
豆鉄砲「大学教授がなんでそんなコトするの? よっぽど気に入られてたの?」
Aさん 「じゃないよ、単なる数合わせだってば(笑)」
豆鉄砲「数合わせ?」
Aさん 「翌々年にその大学で、その学部が新設されるタイミングだったのよ」
豆鉄砲「それが?」
Aさん 「だから学部新設して定員割れじゃカッコつかないでしょ?」
豆鉄砲「ナルホドね」
Aさん 「だからよ」
豆鉄砲「そんじゃ試験とかどうしたの?」
Aさん 「そりゃ当然白紙だよ(笑)」
豆鉄砲「白紙ってヤル気あんのかい?」
Aさん 「ある訳ないじゃん、半分洒落で元々進学なんてする気無かったし(笑)」
豆鉄砲「マジで白紙かい?」
Aさん 「名前ぐらいは書いたけどね(笑)」
豆鉄砲「白紙じゃ試験中ヒマじゃなかった?」
Aさん 「だから寝てたよ(笑)」
豆鉄砲「マジかよ・・・(汗) でもさでもさ、当時は面接とかあったでしょ?」
Aさん 「あったよ、面接」
豆鉄砲「面接はどうしたのよ?志望動機とか聞かれるでしょ?どう答えたの?」
Aさん 「だから『○○教授に言われて来ました』って」
豆鉄砲「待て待て待て・・・普通面接室に入ったら名前とか聞かれるよね?」
Aさん 「まぁ普通に名前を答えるよね」
豆鉄砲「その後、『志望動機はなんですか?』とか普通に聞かれるよね?」
Aさん 「聞かれたよ」
豆鉄砲「で何て答えたの?」
Aさん 「だから『○○教授に言われて来ました』って」
豆鉄砲「試験官ビックリしてなかった?」
Aさん 「まぁ一瞬面食らった感じだったね」
豆鉄砲「その後は?」
Aさん 「名簿みたいなの調べて確認して終わり」
豆鉄砲「終わりって?」
Aさん 「だから名簿でボクの名前確認して、周りの人となんかを確認し合って『お疲れ様でした』で終了(笑)」
豆鉄砲「そんだけ?」
Aさん 「そうだね」
豆鉄砲「じゃあ、進学する気もないのに大学行ったって、学費も免除?」
Aさん 「いや、それはない(笑)」
豆鉄砲「でも両親も進学する気のない予定の息子が大学じゃ大変だったんじゃないの?」
Aさん 「なにが?」
豆鉄砲「学費とかさ」
Aさん 「学費って、ボクは大学の費用は全部自分で払ったよ?」
豆鉄砲「孝行息子じゃん(驚)」
Aさん 「当然ですよ、バイトしまくってたし(笑)」
豆鉄砲「稼ぐったって、バイトじゃ金額も知れてるでしょ?」
Aさん 「知れてるかどうかは知らないけど、一応当時車持ってたよ」
豆鉄砲「はぁ?車ってバブル当時の学生ですらホイホイ買えるモンじゃなかったよ?」
Aさん 「そうなの?普通に乗り回してたけど?」
豆鉄砲「周りの学生さんも普通に車持ってたの?」
Aさん 「いや、当時でも車持ってる学生って珍しかったかもね」
豆鉄砲「お宅の実家、言っちゃあ悪いけどそれほど裕福じゃないよね?(汗)」
Aさん 「だから全部バイトで稼いだんだって(笑)」
豆鉄砲「あのさぁ、ちょっと聞くけど、それだけバイトしてると出席とか試験はどうしたの?」
Aさん 「あのね、ボク当時車持ってたんで、よく教授の助手から『車貸して』って頼まれてたの」
豆鉄砲「それと質問と、どう言う関係が?」
Aさん 「だからね、試験前とかにその助手が居る部屋に呼び出されるでしょ?」
豆鉄砲「うん」
Aさん 「そうするとね、試験問題とかが保管されてる訳だ」
豆鉄砲「ほうほう、段々オチが見えてきた・・・(呆)」
Aさん 「でさ、そうすると助手の人が言う訳だ『オレ10分ばかり外出するけど・・・』で始まって
     『ソコにあるのは試験問題だから見るなよ』とか
     『ソコにあるのは未記入の出席カードだから持ってくなよ』とか
     『ソコに出席簿あるけど改竄するなよ』とかね(笑)」
豆鉄砲「学生にとって車を持ってるってのは大きいねぇ・・・(呆)」
Aさん 「みたいだね、ボクは途切れなく車持ってたから判らないけど(笑)」
豆鉄砲「罪悪感とか無いのかい?」
Aさん 「ハタチそこそこの学生が、そんなモンに罪悪感持つと思うかい?」
豆鉄砲「持つ訳が無いですなぁ・・・(笑)」
Aさん 「でしょ?(笑)」
豆鉄砲「オレも出席カードのコレクションしてたモンなぁ・・・(遠い目)」
Aさん 「誰も不幸になってないからいいでしょ?」
豆鉄砲「じゃあ、全ての科目をその方式でクリア?」
Aさん 「さすがに全部じゃないよ、ムリなのは助手仲間のネットワークで過去問題とノート仕入れました(笑)」
豆鉄砲「もう呆れてモノも言えないよ(笑)」
Aさん 「普通でしょ?」
豆鉄砲「普通じゃね〜よ! でもさぁ、試験はともかく卒論とかどうしたの、コレばっかりはムリでしょ?」
Aさん 「え〜、丁度その頃、学生運動の真っ最中でして・・・」
豆鉄砲「まさか、デモに参加してたとか?」
Aさん 「とんでもない、当時からノンポリだったし、学生運動している奴ら見て『バカじゃね〜か』って思ってたよ」
豆鉄砲「あのさぁ、あの当時のデモしてた学生って、みんな世の中を変えれると思ってデモしてたの?」
Aさん 「いいや、大体は単なるファッションだったよ、流行の一種(笑)」
豆鉄砲「ひょっとして、『オネェちゃんにモテるから』とか勘違いしてたの?」
Aさん 「まぁ当たらずも遠からずってトコだろうね(笑)」
豆鉄砲「そうそう、ところで卒論は?」
Aさん 「学生運動激化に伴い、一部の試験を除き、ほぼ免除で卒業(笑)」
豆鉄砲「アアタさ、人生ラッキーだけで生きてない?」
Aさん 「まぁ否定はしないけど、コレでも卒業時には『大学に残らないか?』って誘われたんだよ?」
豆鉄砲「マジメに勉強してないとこうなるよって言う、悪い見本としてかい?」
Aさん 「そうそう・・・って失敬な! ちゃんと教育者(助手)としてだよ!(笑)」
豆鉄砲「あらま、意外と優秀だったのね(笑)」
 
豆鉄砲もよく他人様に『人生ラッキーだけで過ごしてきたでしょ?』と言われますが、Aさんを見てると
つくづく『上には上がいるもんだ・・・(汗)』と思います(笑)
 
 
ここまでのまとめ

Aさんとのバカ話は他にも色々ありますが、多ければイイってモンじゃないので、この辺までにしておきます。
ちなみにこのバカ話をしてる時間ですが、大体夕方4時頃に日没の関係で猟を切り上げ、獲物の処理をして
ホテルに着くのが夕方の6時ぐらい、ソコから風呂に入って、メシを喰いながら毎回深夜0時までバカ話は続き、
時には深夜2時頃まで色々なコトを話してました(笑)
しかしまぁ、よくぞ毎回ネタも尽きずにオッサン同士が深夜まで話し込んでたと思います(笑)