今だったらこうします「狩猟編」
さて、送りしました「いまだったらこうします」シリーズも最終回の「狩猟編」を残すのみになりました。
多分これまでのシリーズを読んだ方からすると
 
「んな前置きはイイからさっさと始めろ、コノヤロー」
 
となりそうなんですが、期待していた方に予め釘を刺しときますと狩猟のテクニックにおいて、「銀の弾丸」
に相当するようなモノは存在しません。
 
豆鉄砲も、そう言う「銀の弾丸」みたいなモノが無いかと探しましたが、結局は泥臭いまでの地道な努力の
積み重ねでテクニックを磨くしかないです。
唯一「銀の弾丸」と言えるようなモノは、それこそ命中精度の高いプレチャージとレンジファインダーぐらい
でしょうかね。
 
それ以外の部分に関しては、もっとテクノロジーが進歩すれば話は別でしょうが、しばらくはその可能性が
無いのと、そんなテクノロジーが無い間は自分の狩猟技術で何とかするしかないので、素直に諦めるしか
ありません(笑) と言う訳で、早速『今だったらこうします「狩猟編」』をお送りします。
 
狩猟登録とハンター保険
実際に狩猟をするのには狩猟免許は当然ですが、猟をする予定の県ごとに狩猟登録をしないと猟が出来ません。
そしてこの狩猟登録をする時に「ハンター保険」に入っていることが条件になるのですが(厳密には無くても可)
ご存知の方も多いと思いますが、数年前まではこの「ハンター保険」個人での契約が可能でした。
 
しかし保険会社が個人のハンター保険の引き受けを停止してしまったので、現在は個人でのハンター保険契約が
出来ない状態なので、普通に登録しようと思うと猟友会に入会して、猟友会があっせんする団体のハンター保険に
入会するしかありません。
 
ただし、どんなモノにも抜け道はありまして、個人でのハンター保険の引き受けはありませんが、新しく狩猟
団体を作ればハンター保険の契約は不可能ではありません。
 
では豆鉄砲がこれから始めるハンターならどうするのか?と言いますと、まずはツテもないのでしばらくは
猟友会に入会してお茶を濁します。
この時、狩猟登録をする時に必要な書類の書き方や、書き込む際の注意点などを纏めておきます。
そしてその間に、ハンター保険を引き受けてくれる団体を探します。
 
この時注意が必要なんですが、猟友会以外のハンターの団体と言うのは、誰でも入会をウェルカムしていない
ハズです。
と言うのも、保険の仕組み上、誰でも彼でも入会させて事故でも起こせば、翌年から保険料がハネ上がるのと、
場合によってはその団体のハンター保険を保険会社が引き受けてくれなくなる可能性もあるので、自らの団体を
守る為にも、入会する人を厳選せざるを得ません。
なので基本的に入会を申し込む時の態度としては、「入ってやるよ」とか「入れろ」じゃなくって、
「もしよければ入会出来ませんか?」とか「出来れば入会したいのですが・・・」みたいな下からお願いする感じに
しないと自分の首を絞める結果になります(笑)。
 
また、「ソコまでして・・・」とか「入れてくれる団体が無い・・・」みたいな人は自分で団体を作ってみるのも
ひとつの方法かも知れません。但し恐ろしいほど手間が掛かると思うので、それなりの覚悟が必要だと思います。
 
それで猟友会以外のハンター保険の金額ですが、コレは契約内容によって違ってきますが、豆鉄砲が以前、
個人でハンター保険を契約した時は、3年間で1万円程度で猟友会の保険の半額以下でした、それも猟友会の
保険一年分の金額の・・・(笑)
 
それと個人の場合の狩猟登録ですが、今はネットで申し込み書類とかも公開されているケースも多いですし、
公開されていなければ、登録する県に問い合わせると結構親切な対応をしてくれるので、別に猟友会に頼ら
なくても、少しの手間を自分で処理すれば自分で狩猟登録するコト自体は難しくありません。
挙句、豆鉄砲の場合、猟友会経由の登録から個人での登録に変更したら、掛かる費用が半額以下になったので
十分にその価値はありました。
 
猟友会に対する豆鉄砲のスタンス
実は豆鉄砲は猟友会と言う団体になんの期待もしていません。
たしかにハンターと言うポジションにいる人が猟友会と言う団体を作って、ハンターとしての意見や意思を
世間や行政に伝える組織を持つと言うのは非常に大事なコトなんですが、現行、ソレが出来ているようには
思えません。
せいぜい、事故が起きると「安全に注意しましょ〜」と啓蒙する程度で後は定番の放鳥事業ですかね?
それでなぜ豆鉄砲がここまで諦めの境地に達したかと言うと、実は、とある方々と、とある役所を巻き込む
ような案件について、協力と言うか横槍と言うか、アシストのようなモノをお願いに伺ったとき、先方の
態度が明らかに
 
「余計な仕事持ち込まないでよ〜・・・」
 
と言うような態度だったからです。
まぁ協力するしないは先方の自由なんでしょうが、話合いを続ける中で明確には言わないものの、話の根底の中に
 
心の声「うちはハンター保険の紹介料が入ればソレでいいんだからさぁ〜」
 
みたいなのが透けて見えたからなんです。←豆鉄砲の個人的見解です
 
※ちなみに役所は真摯な対応でしたね、今は官僚が悪いみたいな風潮がありますけど、話をしてみると頭は
  イイし理解は早いし、法律に従って粛々と真面目に仕事をされていてる方々だな〜と思いました。
  そして彼らは法律があれば粛々と実行していくだけなので、政治家が「カンリョが〜」と喚くのを見ると
  「だったらガタガタ言う前に法律作れや!」と豆鉄砲は思うのでした。
 
別にNRAのようにガンガンやれとは言いませんが、決して安くは無い会費を徴収しておいて、活動実績があの
程度では、豆鉄砲としては会費を払う気になれません。(挙句、ハンター保険も高いし・・・)
と言う訳で、数年前から豆鉄砲は猟友会を脱退していますが、別になんの不自由もありません。
 
ハンターマップ対策
狩猟登録をするとハンターマップと言う、狩猟可能な範囲を示した地図が配布されます。
このハンターマップ、縮尺が大きい為か、地図だけで可猟区を判断しようとすると少し判断が難しい部分が
あります。
こうなると一部の方々から声高にハンターマップのGPS化の要望の声が上がり、ハンターマップの本質を理解
せず、こう言ったバカ意見の尻馬に乗ると
 
「そうだそうだその通りだ、行政の怠慢だ〜!」
 
となるようですが、ソレは自ら無知を晒すような行為なので慎みましょう。
と言うのも、ハンターマップの裏を見ると、各制限エリアの説明が細かくされています。
まぁGPS化を要求する方々は、この細かい説明に対して難癖を付けているようですが、頭悪いんですかね?(笑)
この制限エリアの説明、落ち着いて冷静に書いてあるコトを読めば、そのエリアがどの範囲なのか判断が出来ます。
と言うのも、大体こう言った制限エリアの境界は、道路であったり、橋であったり川であるコトが大半でして、
その猟場のコトを十分に理解すれば、境界の場所は簡単に理解出来ます。
また、どうしても分らない時は、担当の部署に問い合わせれば教えてくれますし、知人の一人などは、担当者
ですら答えに窮したので、実際に現地まで出向いて一緒に確認してもらったそうです。
 
それでこう言うコトを書くと、益々GPS化が最善策と思うかも知れませんが、コトの本質はそうじゃありません。
と言うのも、可猟エリアであっても、住宅密集地での発砲は厳禁とされています。
それでこの住宅密集エリアですが、既にご存知の方もいると思いますが、判例では「半径200m以内に民家が10件」
とされています。
それで実際にご自身が住んでいる家から半径200mを実感してみて下さい、実に膨大なエリアだと実感出来るハズです。
ではGPS化されたハンターマップを持って、制限エリアだけを基準に、住宅密集地かどうかの判断が出来ます?
豆鉄砲なら怖くて出来ませんよ(笑)
たとえ非効率と言われようが、実際に自分の目と足で猟場予定地域を回り、ドコにナニがあるのかを判断して
からでないと実際に猟場で発砲なんて出来ません。
つまり机上の空論だと、ハンターマップのGPS化によって、初回訪問の猟場で安心して発砲できるコトになり
ますが、実際の法に基づく行動をするのであれば、GPS化されたハンターマップだけでその猟場で発砲可能か
どうかの判断は極めて危険な行為と言えると思います。
 
また、一部のハンターの中には、禁止エリアのすぐ近くに猟場を設定して、そのオコボレをゲットしようとする
ハンターも居ると思いますし、そう言ったアドバイスを自称ベテランが得意気になってするケースもあると思い
ますが、そう言うみっともないマネをしてまで猟をするのは止めましょう。
どうせ趣味でするハンティングです、誰からも後ろ指さされない場所で正々堂々と獲物と勝負して結果を出し
ましょう。
インチキして猟果を出すのは簡単ですけど、そんなインチキしてまで猟果を上げても意味が無いです。
 
そしてこのGPS化、電子データにする以上、確実にコストが掛かりますがそのコストをGPS推進派の方はどのように
捻出するつもりなんですかね?少なくとも受益者負担が原則でしょうから、ハンターマップをGPS化すれば、確実に
全てのハンターの登録料は値上げでしょうね。
 
また、GPSのハンターマップに民家のデータを入れるコトも可能でしょうけど、データ化する時と実際の猟期には
タイムラグがあるので、データ上では民家が無くても、実際には民家が出来ているケースも考えられます。
では、そんなGPS化されたデータを元に猟を行い、それが本当は住宅密集地だったら・・・そして警察に通報されたら・・・
言い逃れは出来ないでしょうね、たとえGPSで民家が無くても実際には民家がある訳ですし、恐らく配布される
データには免責事項の記載もあるでしょうし、行政を相手取り、裁判を起こしたとしても徒労に終わるコトでしょう。
 
と言う訳で、民間業者が扱っているようなGPS化されたハンターマップを個人レベルで使うのは自由ですし、
山の中の猟では自分の現在地を知る為にも便利かも知れませんが、里山近くを徘徊するエアライフルでの
ハンティングの場合、豆鉄砲としては必要ないと思っています。
 
と言うかですね、ハンターマップの裏に書いてあるエリアの説明に対して文句を言ってるヤツって、単に
読む気がないバカですよ。家電製品の説明書と本質は同じで、文句を言うだけで努力しようとしない子供と
同じですんで、ハンターマップのGPS化を声高に主張するのはバカ発見装置として役に立つかも知れませんね(笑)
 
猟場の探し方
実に多くの初心者ハンターが最初に直面するのがこの問題なんです。
と言うのも、狩猟免許を取得する前は、記憶の中のアチコチに獲物となるモノの姿があったと思うんです。
例えば近所の川や公園にいるにいるカモやハトの類ですね(笑)
しかし免許を取得してきちんと狩猟法を理解した上で獲物の姿を探すと、意外なほどに獲物の姿が見つからない
んですよね〜。
 
そして、やっとの思いで獲物を見つけたあと、獲物がいる場所の環境条件を観察してみると、それまで獲物が
居なかった場所と比較しても明確な違いみたいなモノが分らないんです。
そして実を言うと豆鉄砲も現在に至るまで、その違いがなんなのかハッキリしていません(汗)
 
ならばどのように獲物を探してその対策をすればいいのか・・・、月並みな結論ですが、地道に猟場を探し、
その場所を他人に知られないようにするしかありません。
 
猟場情報を守る
猟場情報を得るのが難しいと言うコトがある程度理解して頂けたと思うのですが、始めたばかりの初心者ですと、
どうしてもとりあえずの猟果が欲しくなるので、射場で知り合った人などに単純に聞いてしまうケースがある
と思いますが、場合によっては、コレが猟場情報の『大貧民化』を招きます。
 
『大貧民化』とはどう言うコトかと言うと、まさにトランプケームの大貧民と同じです。
あのゲームは、1ゲーム終了後、一番に上がった王様が最下位の大貧民から『税金』と称して、王様の最弱の
カードと貧民の最強のカードが交換されます。こうなると階層が固定されて貧民は中々上に上がれないのですが、
猟場の情報にもこれと同じようなケースが起きる場合があります。
 
何年かハンターを続けていますと、自然と猟場情報が蓄積されます。
しかし、全ての猟場に同じ魅力(獲物の濃さなど)がある訳ではないので、必然的にハンターの中で猟場情報の
順位付け(価値判断)がされます。
そうすると、10コの猟場があるとして、そのうちの2コが最強クラス、6コが普通クラス、2コが最低クラス
という感じで順位付けがされます。(まさにトランプの「大貧民」と同じですね)
 
そして射場で知り合った人に猟場情報を聞かれた場合、大体はお茶を濁して誤魔化すケースが大半ですが、
(豆鉄砲もです)
中には、親切とも思える態度で猟場情報を教えてくれるケースもあり、一見教えてくれた人が実に親切な人に
感じたりする訳ですが、その情報が実は最低クラスの猟場情報である可能性があります。
 
こうなると、「王様への税金としての猟場情報は?」となると思いますが、税金として猟場情報を回収するのは
シーズン終了後で十分です。当然、猟場情報をもらっているので、新人ハンターはどんな猟場を廻ったかを聞かれる
でしょうし、その質問に素直に答えてしまうでしょう。
場合によっては、シーズン中に「調子はどう?」と、どんな猟場にどんな獲物が居たのか聞かれるケースもあるで
しょうし、そうなれば貴重な猟場情報は筒抜けになります。
 
猟場情報を聞いた人がマトモな人で、新人の猟場なんて荒らさないと言う人なら安心ですが、猟場や獲物が減る
昨今では、獲物の為ならなんでもする人が増えているのも確かです。
そうやって荒らされた猟場がどうなるかと言えば、翌年には獲物がいなくなるか、所構わず発砲して周辺住民と
問題となり銃禁化=猟場の閉鎖しかありません。
 
この他に猟場がバレるケースとして、自ら始めたHPやblogに掲載した、たった一枚の写真が・・・というケースも
あります。
多分、普通の感覚だと「それはないやろ〜(笑)」と思うかも知れませんが、現実です(キッパリ)
これは豆鉄砲が遭遇したケースで、既に閉鎖されているサイトなので問題ないと思いますが、その写真は猟場の
スナップ一枚でこんな写真です。
 

別に猟場そのものに繋がるようなものが写ってる訳じゃありません。
ただ遠くに松林(?)みたいなモノと錆びたトタン板が足元に写ってるだけのこの写真を見て、豆鉄砲は一発で
その場所が分りました。(だってその場所は何十回と通い、裏道からナニから全て把握してましたモン)
そして一緒に掲載されていた猟日記を拝見して「間違いない」と再確認しました(笑)
 
その他に、HPやblogに掲載された内容から当人の居住地域が判明し、そこから猟場が発覚するケースもあります。
具体的に言うと、blogのケースが多いですが、blogの場合、どうしても日記的内容を書くことが多くなるので、
例えば「今日は○○に食事に行きました」とか「市内の××へ行ってきました」とか書き込むと、それらの
情報が蓄積されることによって、当人の大凡の居住地域が判明します。
 
あとは猟期に入ってからの日記で
 
「今日は猟場まで(高速道路を)2時間走って・・・」
 
などと書くと、居住地域を基準に猟場の範囲を絞るコトも可能になってきます。
(釣り場情報などでも同様のケースがあるようです)
 
ですので、豆鉄砲の猟日記を確認していただけると気付くと思いますが、実は豆鉄砲、猟場までの移動時間を
ほぼ記述しておりません。
また一部、猟場情報に直結するような記述に関しては意図的に隠蔽しております。(笑)
しかし、それ以外の記述については(発射数・当りハズレの結果・猟果)については嘘・偽りはないのでご安心を(笑)
 
※豆鉄砲はAさんと同行している猟場に関して、その情報が発覚する恐れや可能性、予兆があれば、
  このサイトを予告なく閉鎖することになんの躊躇もありません。
  そのくらい猟場情報と言うのは重要な情報です。
  猟場情報の前には、ネット上でのこのサイトのネームバリューなどに何の価値も無いと思ってます。
 
そして最後の情報流出ルートは知人・友人からです。
これはどう言うコトかと言うと、当人達は意識しないものの、友人・知人にドコで獲っているのかを話すコトにより、
 
本人→友人・知人→その友人・知人→別のハンター
 
という感じで、当事者間では意識しないままに猟場情報が漏れる恐れがあります。
ですから、友人・知人に「ドコで獲ってるの?」と聞かれた場合、県レベルの地域か「アッチ!」と指をさして
適当な方向を指しておきましょう。
 
猟場情報を守るも公開するも当人の自由です。
豆鉄砲はこれまで猟場情報の流出に関してかなり慎重に行動してきましたが、それに関しては正解だったと思っています。
当然、このような考えに基づく対応に関して「考え過ぎだよ〜」と言われたコトもありますが、一度拡散した情報は、
その後どんな手段を講じても元には戻りません。
拡散してから後悔するぐらいなら、最初から沈黙を守る方がいいと思いますし、猟場情報の重みを理解している同士なら、
猟場情報を公開しないことによって交友関係が崩れるコトは無いと思います。
もし、交友関係を盾に猟場情報の公開を要求する人がいるなら、そんな交友関係はサッサと切りましょう。
 
また、このような猟場情報を快く公開してくれる方もいます。
そのような方に猟場情報を公開されたなら、最低限の仁義は守りましょう。
 
豆鉄砲が考える猟場の仁義
・紹介された猟場を訪れる時は、その人に必ず挨拶を入れる(好きに使ってと言われてもするべきだと思います)
・紹介された人が猟場に適用しているルールがあるならそれに従う(発砲場所の制限などのローカルルール)
・紹介された猟場に他人を勝手に同行させない
・紹介された猟場を他人に勝手に紹介しない
 
まぁ、要は自分がされてイヤなコトをしなければ十分だと思います。
 
ただ自分で発見した猟場に関しては、赤の他人が先に利用していても関係ない話なんで、好き放題、自由気ままに
使えばイイと思いますので、皆様、そんな自由で気楽な猟をする為にも、出来る限り自分自身で猟場の開発に
努めましょう。
 
ホームグラウンドの重要性
結果の出せる猟場の数をどれだけ知っているかで猟の結果が変る訳ですが、始めたばかりの初心者が結果を
出せなくても焦る必要はありません。それよりも大事なのはホームグラウンドとなるような猟場、つまり、
 
『シーズンを通して猟場の変化を体感できる基準となる場所』
 
を見つけるコトが大事だと豆鉄砲は思っています。
 
猟場と言うのは、場所によってはシーズンを通して獲物が豊富なトコロもありますが、経験が少ない初心者が
発見する猟場では、シーズン開始時には獲物が居ても、時間の経過と共に獲物が居なくなる猟場がほとんどだと
思います。また場所によっては時間の経過と共に、それまで獲物が居なかった場所に獲物が入ったりすることが
経験出来ると思いますが、そう言った猟場の変化を感じ取る為には、ある程度同じエリアや同じ猟場に通い
続けないと、その変化みたいなモノを感じることが出来ません。
 
これはどう言うコトかと言いますと、猟果自体はこの際二の次でして、ある程度猟果の見込める猟場で、猟場の
変化を本能の部分に感じ取らせることが重要だと思ってます。(それも変に知識が付く前の初心者の段階で)
 
豆鉄砲がこのことの重要性を確信したのは、Aさんと一緒に1シーズン猟場を廻った後でした。
実は豆鉄砲、今でこそそれなりの猟果がありますが、最初の3年間はまともな猟果がありませんでした。
しかし、自分で猟場を探し、その中で可能性が高いと思える場所に通い続けることによって、経験値としては
僅かですが、シーズンと共に獲物の数や生息域が変化することを体感出来ていました。
 
そして4年目に猟日記の通り、Aさんと一緒に猟場を廻るコトになった訳ですが、その時、実は獲物の多さに
目が眩み、最初の頃に邪なコトを考えたのは事実です。
 
今だから公開しますが、これまであえて書かずにいたAさんの使用する銃はホーワ55G、つまり炭酸ガス銃です。
更に当時の豆鉄砲には、その価値が分らなかったAさんの着ているFilsonのハンティングコート、実はあのコート
使い続けるとオイルが硬化してテカテカに光り始めるんですよ。
そして当時の豆鉄砲、Aさんの着ているハンティングコートの袖の辺りがテカテカに光っている具合を見て、
 
「そう言えば昔の子供は垂らした鼻を袖で拭いているので、袖がテカテカに光ってたって言うな〜・・・」
 
と思い出しまして・・・(汗)
 
ま〜なんと言いますか、該当銃を所持されている方には大変失礼な言い方ですが、豆鉄砲にとってAさんの銃は
 
「昭和のかをり漂う骨董品」
 
着ているものは、part.40では「汚ね〜服だな〜」と感想を書きましたけど、豆鉄砲の中での本当の命名は、
 
「デトロイトのルンペン」
 
そしてこちらはサイクロンが発売された後とは言え、まだまだ最新型のS410。
経験値は絶無に近いですが、Aさんの貧弱とも思える装備を見ていると
 
「この人に付いてって大丈夫か・・・?(汗)」
 
って思う豆鉄砲の不安な気持ちも分るでしょ?(笑)
 
※一応補足しますと、今時のプレチャージしか使ったコトがない方々には信じられないでしょうが、
  Aさんは(ホーワ55G+ジェット弾)と言う、おおよそ今の常識では「罰ゲーム」としか思えない装備で、
  普通にカモやキジを定数獲っています。
  そしてこの後豆鉄砲は、Aさんに有り得ない現実や圧倒的な実力差を何度も見せ付けられ、正に
   「エアライフルの性能が戦力の決定的差でないことを教えてやる!!」状態(笑)
  この強烈な経験が、その後の豆鉄砲の狩猟に対する方向性を決定付けました

そして、目の前に広がる膨大な数の獲物を見ると、豆鉄砲の中の悪魔が囁くんですよ。
 
豆鉄砲(悪魔)「こんな昭和の加齢臭が漂うようなヤツからは、適当に猟場情報だけ頂いてポイすりゃ十分だろ(笑)」
 
まぁ、世間的にはドン引かれるでしょうがね・・・(笑)
 
一応、この段階でAさんは一通りの猟場を案内してくれてたので、次回からは一人で廻るコトも不可能じゃ
ありませんでした。
 
しかしこの時、少ないながらも、同じ猟場に通い続けて猟場の変化を知っていた豆鉄砲の中の天使が囁きます。
 
豆鉄砲(天使)「今は解禁時のボーナスステージ!
         重要なのはボーナスステージ後や獲物が居なくなってから!!
         Aさんがどう動くのか知るコトの方が重要!!!
         今までロクに猟果も無かったのに、ちょっと獲物を見ただけで
         調子に乗って舞い上がるんじゃねぇ!!!!
         判ったら黙って勉強させてもらえ、このクソッタレ!!!!!」
              ↑天使は最後にハートマン軍曹のようになりました(笑)
 
いや〜、この判断は正しかったですね(笑)
実際問題、他の猟場に比べればシーズン終了間際でも獲物は豊富でしたが、あの時、判断を間違っていれば、
今の豆鉄砲は存在していなったでしょう。
 
ちなみにこの話、part.41の「師匠」の中で、掲載していないAさんとの会話のひとつでもあります(笑)
そしてAさんはAさんで、獲物の数に目が眩んで一人で猟場を廻ろうとしても、それが殆ど無理だと言うコトを
認識していまして、Aさん曰く
 
「経験あるヤツでも、あの猟場を初見で攻略するのは難しいよ、コッチは長年掛けて攻略したんだ(笑)」
 
と、笑ってしていました。
ま〜実際、シーズン中に見かけた人でも、翌年には見かけませんからね(笑)
 
と言う訳で現在一人で猟場を廻っている方、たとえ猟果が無くっても諦めずに続けていれば確実に経験値は
増え続けます。良い猟場との出会いは「運」の部分も存在します。「運」に巡り会えた時、そのチャンスを
最大限まで生かせれるように、日々の努力を続けてみて下さい。
 
その一方、猟果を求めてシーズンごとに猟場を移動する方法もあります。
豆鉄砲はその方法を否定しませんし、効率良く獲物を得るのには最適かも知れませんが、獲物が居なくなった時の
対処の方法や、ハンターとしての本質を成長させたり、猟の方法で迷いが生じた時、自分自身を見つめなおすのに
ホームグラウンド的な猟場を持っている方が安心だと思っています。
 
獲物への接近方法
豆鉄砲は、これまでの流れの中で「距離・風・充填圧」に注意すれは獲物は獲れると主張してきましたが、
それを確実にする為にも、獲物への接近方法をマスターする必要があります。
獲物への接近方法をマスターすると言うのは実に難しいと言うのは当然でして、相手からすれば命が
掛かっているので当然と言えば当然です。
 
そうなると、考え方の一環として
 
「接近は難しいので遠射で勝負する、その替わりミリ単位のグルーピングを追及する」
 
と言う考えが出てくる訳ですが、この考え方を豆鉄砲はpart.51「遠射はそんなにエライのか?」で否定し、
更に、part.56「思い込みと現実の狭間5」で「二つの円の重なる面積」を計算することによって、命中率の
変化を算出し、それがあまり意味のないことだと提示しました。
 
また、計算では50mで25mmのグルーピングを基準にした為、50mオーバーの距離における命中率の計算には
実測が必要であると明示した上で、擬似的な50mオーバーの命中率の目安も掲載しました。
 
実は、豆鉄砲の中には思惑がありまして、実測が必要なこの計算、山っ気がある誰かが実測して計算して
くれると思ってたんですよ、だって一ヶ所の計測さえすれば後は計算するだけでokですから・・・。
でも、世間は誰も手を付けないんですよね〜、結果を出してくれれば、「こう言うのがあります」と
紹介するだけで済むのに(笑)
 
では、どこの部分を計測すれはいいのか、計測の概念図は以下の通りです。
 

お分かりでしょうか?つまり、図の中のyz間を計測すればいい訳です。
これを紙に書いて計測するのもいいですが、現実的じゃないので、CADソフトにある計測ツールを使えば
計測が可能になります。
それで具体的な方法ですが、豆鉄砲は以前にも紹介しました「jw_cad」を用いて、キルゾーンを描図し、
0.5mmづつグルーピングゾーンを移動して描図し、yz間を計測すればいい訳です。
つまり計測のサイクルとして
 
1.グルーピングゾーンを描図する
2.yz間を計測する
3.グルーピングゾーンを消去する
4.0.5mmずらしてグルーピングゾーンを描く
5.yz間を計測する
6.「3」に戻る
 
コレを計測が終わるまで繰り返せばいいんです、繰り返す回数も大した数じゃありません、その回数たった
 
『245回』
 
1サイクルに30秒必要として、大体2時間もあれば計測自体は終了で、後の計算を入れても3時間ぐらいで、
 
『根性があれば』
 
サルにも出来る、実に簡単な単純作業です(笑)
 
※多分だれもやらないでしょうが、一応、計算の仕方です
  yz間の1/2の数値を出すコトによって、それぞれの半径を利用してsinθの値が出ます。
  sinθの値を元にasinを求めて角度を出せば、今度はcosθの値が求められます。
  後はそれぞれの扇形の面積を求めて・・・ここまでの内容が理解出来る方には後の説明は無用ですね(笑)
 
と言う訳で、50mで25mmのグルーピングだった場合の本当の命中率の変化です。
 
距離による命中率の変化
二点間の
距離(mm)
(25mm)
50m
(%)
(30mm)
60m
(%)
(35mm)
70m
(%)
(40mm)
80m
(%)
(45mm)
90m
(%)
(50mm)
100m
(%)
0.0
100.00
69.44
51.02
39.06
30.86
25.00
0.5
97.45
69.44
51.02
39.06
30.86
25.00
1.0
94.91
69.44
51.02
39.06
30.86
25.00
1.5
92.37
69.44
51.02
39.06
30.86
25.00
2.0
89.82
69.44
51.02
39.06
30.86
25.00
2.5
87.29
69.44
51.02
39.06
30.86
25.00
3.0
84.76
68.69
51.02
39.06
30.86
25.00
3.5
82.23
67.47
51.02
39.06
30.86
25.00
4.0
79.72
66.03
51.02
39.06
30.86
25.00
4.5
77.21
64.48
51.02
39.06
30.86
25.00
5.0
74.71
62.85
51.02
39.06
30.86
25.00
5.5
72.22
61.18
50.58
39.06
30.86
25.00
6.0
69.74
59.46
49.83
39.06
30.86
25.00
6.5
67.27
57.73
48.92
39.06
30.86
25.00
7.0
64.82
55.98
47.90
39.06
30.86
25.00
7.5
62.38
54.21
46.80
39.06
30.86
25.00
8.0
59.96
52.45
45.65
38.77
30.86
25.00
8.5
57.56
50.68
44.46
38.25
30.86
25.00
9.0
55.17
48.91
43.24
37.61
30.86
25.00
9.5
52.81
47.15
41.99
36.88
30.86
25.00
10.0
50.46
45.39
40.73
36.10
30.86
25.00
10.5
48.14
43.64
39.45
35.26
30.65
25.00
11.0
45.84
41.90
38.16
34.39
30.27
25.00
11.5
43.57
40.17
36.86
33.48
29.79
25.00
12.0
41.32
38.45
35.57
32.55
29.25
25.00
12.5
39.10
36.75
34.27
31.61
28.65
25.00
13.0
36.91
35.05
32.97
30.64
28.02
24.83
13.5
34.75
33.38
31.67
29.67
27.35
24.54
14.0
32.62
31.72
30.38
28.69
26.65
24.17
14.5
30.53
30.09
29.10
27.70
25.94
23.75
15.0
28.48
28.47
27.82
26.71
25.20
23.28
15.5
26.46
26.87
26.55
25.27
24.46
22.78
16.0
24.48
25.30
25.29
24.72
23.70
22.25
16.5
22.55
23.75
24.05
23.73
22.93
21.70
17.0
20.66
22.22
22.81
22.74
22.15
21.14
17.5
18.81
20.72
21.59
21.75
21.37
20.55
18.0
17.02
19.25
20.39
20.77
20.59
19.95
18.5
15.28
17.81
19.20
19.79
19.15
19.35
19.0
13.59
16.40
18.02
18.82
19.02
18.73
19.5
11.97
15.02
16.87
17.86
18.23
18.11
20.0
10.41
13.68
15.73
16.91
17.45
17.48
20.5
8.92
12.37
14.62
15.98
16.67
16.85
21.0
7.50
11.11
13.53
15.05
15.89
16.21
21.5
6.15
9.88
12.46
14.13
15.12
15.19
22.0
4.90
8.70
11.41
13.23
14.36
14.94
22.5
3.74
7.56
10.39
12.34
13.60
14.30
23.0
2.68
6.48
9.40
11.47
12.85
13.67
23.5
1.75
5.44
8.44
10.62
12.10
13.04
24.0
0.95
4.47
7.51
9.78
11.37
11.57
24.5
0.34
3.56
6.61
8.96
10.65
12.36
25.0
0.00
2.71
5.75
8.16
9.94
11.17
25.5
1.95
4.92
7.38
9.24
10.55
26.0
1.27
4.14
6.63
8.55
9.95
26.5
0.69
3.40
5.90
7.88
9.35
27.0
0.25
2.70
5.19
7.22
8.75
27.5
0.00
2.06
4.52
6.58
8.17
28.0
1.48
3.87
5.95
7.60
28.5
0.96
3.25
5.34
7.03
29.0
0.53
2.67
4.76
6.48
29.5
0.19
2.12
4.19
5.94
30.0
0.00
1.62
3.64
5.41
30.5
1.16
3.12
4.90
31.0
0.76
2.62
4.40
31.5
0.41
2.15
3.92
32.0
0.15
1.72
3.45
32.5
0.00
1.31
3.00
33.0
0.94
2.57
33.5
0.61
2.16
34.0
0.33
1.78
34.5
0.12
1.41
35.0
0.00
1.08
35.5
0.77
36.0
0.50
36.5
0.28
37.0
0.10
37.5
0.00

表を見てお気づきでしょうか?遠射をすると、相当量の誤差が生じても、命中率に変化はありません。
100mでは12.5mm以上の誤差が生じるまで命中率に変化はありませんし、そんな距離で遠射の勝負をするなら、
1mでも接近した方が獲物への命中率は向上します。
つまり、
 
「オレは遠射で勝負するからミリ単位のグルーピングを追求する(キリッ」
 
と言う方は、自分自身で「自分は何も分ってないバカです」と宣言するようなモノなので、発言には注意しましょう。
ちなみに、これ以外の数値での命中率の変化ですが、豆鉄砲は根性が折れたので、誰か代わりにお願いします、
サルでも出来る簡単な計測と計算ですから。
※自分で計測した方、yz間の計測データだけ下さい、計算値で良ければ送り返しますんで(笑)
 
これで遠射のテクニックを磨くなら、獲物への接近テクニックを磨く方がマシだと考え方が切り替えられたと思います。
では、獲物に接近する為にはどのような方法を使えば良いのか?その答えはたった一つ、
 
「獲物に気付かれないようにする」
 
これだけです。つまり獲物の視界の中に出来る限り入らないようにするしかありません。
その為には、part.48「迷彩考」で紹介しましたが、鳥類は4色型色覚なんで紫外線まで見えているので、
中途半端な迷彩で姿を晒せば、簡単に見つかってしまいます。
 
ですから、繰り返しになりますが、基本は匍匐前進などを利用して獲物に対して投影面積を最小限にするコトです。
そして、「自分が獲物を確認出来ると言うコトは、獲物もハンターを確認出来る」と言うコトでもあるので、獲物への
射撃ポジションへ移動するまでの間、獲物に発見されずに済むように、隠れる場所の把握、つまり猟場周辺に
ドコにナニがあるのか地形の掌握が必要です。
 
これは一回では把握出来ないと思うので、獲物を発見したら、獲れても獲れなくっても、もう一度猟場を見渡し、
次にチャンスがある時はどのような進入経路を使うのが有効か?また獲物が居る場合、どの場所までアプローチ
するのが良いのかなどのシミュレーションが重要になってきます。
またこう言ったシミュレーションデータを記憶に頼っても忘れてしまうので、面倒ですが、自分自身でログブックの
ようなものを作成し、あとでデータを比較検討出来るようにすると、それが自分自身の財産となります。
 
匍匐前進について
一時期、匍匐前進に関して「犬のウンコが〜」と言う話題がありましたが、アレは実際に匍匐前進などをしたことが
ない人の、想像上のコメントに過ぎません。
実際に匍匐前進をすると分るのですが、あの姿勢だと、目線はせいぜい地上30cmです。
そして匍匐前進は目線の方向にしか進めませんし、一回のストロークで50cm程度前進するのがせいぜいです。
そうなると、地上30cmの視界なら50cm先にあるモノが何なのか認識するのになんの苦労もありません。
「犬のウンコ」と「石」は一目見れば一発で判断が出来ます。
匍匐前進をしたくない人が言い訳に「犬のウンコ」を持ち出すのは構いませんが、嘘までついて匍匐前進を
否定して何になるのでしょうか?
皆様は世間にコメントを発信する時は、せめて自分で確認してからにしましょう。
 
無線機の利用
もしも複数で猟場を廻れるなら、無線機の利用は一考の価値があります。
先ほど、「自分が獲物を確認出来ると言うコトは、獲物もハンターを確認出来る」と書きましたが、
無線機を使うと、仲間の目による誘導を受けるコトによって、獲物の姿を確認しないまま射撃ポジションに
接近することも可能となります。
 
この場合、お互いが猟場の地形などについて共通の認識をしていないと、スムーズに誘導が出来ないので、
その辺りも含めて、ログブックなどをベースにお互いの認識を共通化する作業が必要となりますが、
これをマスター出来ると、獲物への攻略法のバリエーションがかなり増えます。
しかしお互いが初心者で、それぞれ『撃ちたい!』と言う欲求が強いと誘導が交代制になると思うのですが、
実はこの方法、射撃側は素人でもokですが、誘導側は場数を踏んだベテランでないと成立しません(笑)
 
つまり、豆鉄砲とAさんの狩猟シーンで、無線での誘導シーンがありますが、アレって見方を変えれば、
鵜飼の鵜匠が鵜を誘導しているのとなんら変りありません。
つまり、豆鉄砲は無線機と言う目には見えない縄を首に掛けられ、Aさんの号令の元
「進め!」「止まれ!」と言われるがまま命令一つで動き、射撃ポジションに到着すれば、
 
「○○の方向50m、××と△△の間」
 
と、言われるがままに銃を構えて撃っていただけなんです、そして外せば「バカか」「アホか」
罵られる訳ですよ・・・。
まぁそう言うのを繰り返されると、イヤでも獲物に接近して確率を上げたくなりますがね(笑)
 
獲物の回収はAさんがしていて、実はあの猟場、回収の方が難易度が高いんで、豆鉄砲は撃った後、
毎回思ってましたよ・・・
 
「回収、失敗しね〜かな?そしたイヤミの一つも言えるのに・・・、あっ、また回収に成功しやがった(チッ」
 
だってねぇ、言われっぱなしじゃツマランし・・・(この時の豆鉄砲の価値観 イヤミ > 獲物 )
でも、Aさんの回収率の驚異的な高さ故に達成されずにいます(笑)
 
写真撮影は狩猟技術の向上に有効か?
結論から言いますと、撮れた獲物の写真の状態によります。
銃で獲物を狙って引き金を引く代わりに、カメラを使ってシャッターを切る行為がハンティング技術の向上に
なると言う話があって、実際に撮影された写真をとあるblogでみたコトがありますが、正直絶句しましたよ、
あまりにもマヌケで(笑)
 
だってその写真の中の獲物、完全に撮影者を確認していて、警戒感バリバリの写真なんですモン。
なのに説明では、カメラの替わりに銃を持っていたら獲れていたとしたり顔で説明していたので、
普段、どんな感じでハンティングをしているのか簡単に想像できました。
絶対とは言いませんが、車撃ちを多用していると思います。←多分当たってると思う(笑)
 
鳥と言うのは、目の構造上サケード(眼球運動)が出来ないのでモノを見るとき、目の替わりに頭を動かし
ています。(トリのモノマネをする人がよくやるあの動きです)
人間の場合はコレが出来るので鏡で自分の眼球を観察してみると、細かく眼球が動いているのが確認出来ます。
それでなぜこのような運動が必要かというと、同じ刺激を与え続けると、網膜の細胞への光の刺激が飽和して
しまうので、刺激のリセットの為にも必要な機能のようです。
 
そこで、鳥類が警戒した時はどんな行動をするか、皆さん覚えてます?
そうです、首を真直ぐに伸ばして微動だにしない状態になるんです。
キジなんかだと、人によっては「一升瓶が生えてる」みたいに表現するようですが言えて妙ですよね(笑)
だからカモなどでも警戒すると、首を真直ぐに伸ばして微動だにしていません。
 
こうなると、先ほどのサケードの話と矛盾すると思うのですが、これはあくまで豆鉄砲の想像の範囲ですが、
微動だにしないコトによって、動かない風景は視界から次第に消えます。
しかし、獲物にとっての脅威(この場合はハンター)が視界の中で僅かでも動くと、網膜の細胞への光の刺激が
復活して、動くものが選択的に認識出来るのではないかと思います。
 
ですから、豆鉄砲の考えでは、首を真直ぐに立てて警戒感全開の写真しか撮れなかったと言うコトは、
猟期に入れば、確実に獲物に逃げられるだけだと思いますから、写真を撮って練習するなら、警戒感のない
写真を撮れるまで、接近やカモフラージュの方法について練習をするのがいいと思います。
 
獲物の熟成期間
最近では獲物を熟成させてから食べる人が増えたようで、その熟成期間も人それぞれのようです。
豆鉄砲は、基本的にジップロックの袋に入れて、冷蔵庫のチルド室で2週間ですが、人によっては
それよりも長く熟成期間を取るようです。
しかし中には、熟成期間の根拠があまりにも荒唐無稽なケースがあります。
 
肉を熟成させる意味は、肉の中のアミノ酸量を増やすと言う意味がある訳ですが、このアミノ酸量は、
ある値以上には増えません。それはアミノ酸の元となるのは、肉に含まれるタンパク質だからです。
なので、アミノ酸の生成量=肉に含まれるタンパク質の量 となるので、その量に限界があります。
 
似たような例で、石焼芋なんかも同じでして、石焼芋の甘さは石焼の温度によって芋に含まれるデンプンが
酵素によって糖に変化するので、ある一定量時間が経過して酵素がデンプンを全て糖に変化させると、
芋に含まれる糖はそれ以上増えません。
 
だから、カビが生えるようなレベルまで肉を熟成させても、喜ぶのは肉についたカビで、普通の熟成期間
に比べて、肉の味が格段に向上することはありません。(そう思うのは気のせい)
 
それから肉にカビが生えたモノを食べても大丈夫だったと豪語される方もいるようですが、カビの種類に
よっては強烈な毒物を生成するモノがあります。(例:アフラトキシン
肉に生えたカビの種類が判明しているとか、特定種類のカビを意図的に肉に繁殖させた場合は別ですが、
(白カビのハムやサラミ)そうで無い場合、「直ちに影響はない」だけで、カビが生成した物質によって、
長期で考えると、「影響がある」場合もあるので、衛生面には注意が必要です。
 
ちなみに例に挙げたアフラトキシンは肝臓ガンの発ガン率100%のシロモノで、無添加食品が大好きな人が、
ハム・ソーセージの発色剤と勘違いして槍玉に挙げる亜硝酸Naよりもはるかに危険なシロモノです(笑)
 
ちなみに亜硝酸Naをハム・ソーセージに添加する目的は風味の向上とボツリヌス菌の繁殖を防ぐ為なので、
皆様安心して食べて下さい。また、亜硝酸Naの発ガン性ですが、国の基準量が守られている製品なら、
ナンボ食べても平気なんで、アンチ食品添加物信者に騙されないように注意しましょう(笑)
 
また、牛肉のドライエージングを真似して、乾燥状態で肉を熟成させる方がいますが、牛肉のように大きなモノ
の場合は、ある程度乾燥が進行しても内部は水分が含まれてますが、モノが小さいキジやカモなどで同じように
ドライエージングをすると、ジャーキーのような肉になってしまうので、ビニール袋などを使って、素直に
ウェット状態での熟成の方が歩留まりがイイです。
プロの技術を真似することは素晴らしいコトですが、真似をする前にその技術の本質は何なのかを考えてから
実行しましょう(笑)
 
ここまでのまとめ

都合3回に渡って「今だったらこうします」シリーズをお送りしました。
当然、足りない部分もあると思いますし、これが絶対に正しいと豆鉄砲は思っていませんが、
この方法で一定の結果は出せているので、ある程度は正解だと思っています。
 
そして師匠もいないまま、本やネットの情報を頼りに努力するも結果が出なくて焦っている方、
豆鉄砲は以前、獲物がセロで落ち込んでる時、Aさんからこんコトを言われました。
 
「豆ちゃんねぇ、猟果の数に一喜一憂してたら猟がツマラなくなっちゃうよ。
それよりもね、気持ちの持ち方を変えて、川のせせらぎを聞き、鳥の姿を見て、自然の風景を感じる。
そして気持ちを落ち着けて猟場をお散歩するんだ。
これだけで日々の生活で緊張した心がリラックス出来て、それで十分でじゃないの。
 
それで偶然にも獲物を見つけたら背負った鉄砲で撃ってみて、結果獲物が獲れたらこんな楽しい
お散歩はないと思うよ?」
 
言われてみて、それもそうだと思いました。
 
確かにそうですよね〜、猟果に囚われると、本来リフレッシュする為の「遊び」が修行に替わってしまいます。
『足るを知る』と言う言葉がありますが、全ては気持ちの持ちようですね。
 
別に獲れないコトは恥ずかしいコトじゃありません、それよりも獲れないコトを何かのせいにして
言い訳する方が余程恥ずかしいコトです。
 
皆様、己の現状と限界を知った上で、更なる高みを目指してください。
 
豆鉄砲は・・・もう少しラクなポジションがないか模索します(笑)