個人輸入その前に
 
これだけネットが発達しますと、海外から射撃や猟に関連する用品を個人輸入することは
特別のコトではなくなりました。
 
そんな中で、個人輸入に慣れた方でも二の足を踏むのか『銃の個人輸入』です。
 
とは言え、為替レートを無視して多めに見積もっても、送料込みで国内価格の半額以下となれば、
 
 『ナントカならんモンかな?』
 
と考えるのが人情ってモンです。
 
そこでネットをゴソゴソ調べると、意外と簡単に日本に輸出してくれそうな店が見つかりまして、
その手順も公開されているので、一般的にネットの意見としては
 
 『熱意があれば出来ますよ』
 
となっています。
 
しかし、既にプレチャージの空気銃を所持している人が、新たにプレチャージの空気銃を個人輸入
する時に真っ先に考えるのは、『修理』に関するコトです。
 
プレチャージの空気銃は、新銃で購入しても数年後には、確実にoリングなどのパッキンが劣化
して『空気漏れ』などが起きます。そうなると修理が必要となってくる訳ですが、代理店では
 
 『個人輸入の銃は国内仕様と違っていて修理できないから注意してね〜(超意訳)』
 
となっています。
 
こ〜なりますと、ネット上では一部の扇動者により『代理店はボッタクリだ!』などと揶揄されて
いますので頭に血が昇った方々(通称・世間知らずのバカ)は
 
 『だったら壊れたらまた個人輸入すりゃぁ〜いいんだよ、1/3の値段なんだしよ!( ゚д゚)、ペッ』
 
と大見得を切る訳です(笑)
 
とは言え、一部のblogなんざを見てますと、大見得切って↑のような主張をして個人輸入計画を
進めていたものの、しばらくすると・・・
 
 『色々あって、国内で買うことにしました・・・』
 
と途端にトーンダウンしたりもする訳ですが、その『色々』を世間に公開しないと、バカの再生産が
繰り返されるだけなんですけどね〜、大見得切った以上、キッチリ説明責任を果たして欲しいです(笑)
 
しかしその一方で、『情熱』とやらがあって紆余曲折を経て銃の個人輸入が出来ますと、blogなんかを
開設して誇らしげに
 
 『個人輸入出来ました〜!』
 
とプチ自慢したりすると、コメント欄には、砂糖に群がるアリのように、それらを賞賛する方々で
溢れかえり、しばらくは鼻高々で天狗気分が味わえます(笑) 
 
しかし、長くても数年後、早ければ翌日には『修理』と言う現実を突きつけられます。
 
ご存知の方も多いと思いますが、一応、oリングのパッキンや修理用のパーツを販売している海外サイトも
ありますが、ソコが日本に輸出してくれるかどうかは全く解りませんし、海外では在庫切れで次回入荷時期
不明とかも普通にありますし、届いたパーツが注文したモノと全く違うとか、サポートに連絡してもナシの
ツブテなんてコトが普通にあるんで、国内の商慣習しか知らない人が海外のお店に『非常識だ!』と喚いても
 
 『このファッキンジャップはナニを言ってるんだ?(呆)』
 
とロクに相手にもされません。
 
そしてoリングなどはサイズが合えば国内でも購入するコトは可能ですが、取り外したoリングは新品の時
とは違ってゴムが伸びたりして元のサイズと違っているので、シロウトが元のoリングのサイズを判断するの
は極めて難しいコトです。
 
oリングなどの問屋さんでは、その経験から、伸びたoリングでも元のサイズを割り出して交換用のoリングを
用意出来るようですが、そう言うプロが居る問屋さんでは、販売ロットが100単位とかが普通なので、欲しい
oリングは1コなのに100コも買う必要があります。
 
全てのoリングが同一サイズなら100コ単位の購入でも問題無いですが、大体は数種類のサイズが必要なので、
結構な出費となりますし、oリング自体、酸素と紫外線で劣化しますので、数年後の修理の時には、新たに
oリングを買う必要が出てきます。
 
当然、ホームセンターでバラ売りしているサイズもあるでしょうが、全てのoリングをバラ売りで入手する
のは事実上不可能でしょう。
 
こうなりますと、後先考えずに価格だけでエアライフルを個人輸入したバカは詰みますので、自分のコトを
棚に上げて、怒りの矛先を探し、ある結論に到達します、それは・・・
 
 海外でブランドのバックを買っても、国内の業者は修理してくれるけど、銃を個人輸入で買うと、
 並行品は差別的扱いを受けている!これは消費者にとって不利益だ!問題だ!
 
全てを覚悟した上で個人輸入したハズがこの体たらくですか・・・(笑)
壊れたんだからまた輸入すればいいのに、ど〜しちゃったんでしょうか?(呆)
 
そしてもう少し知恵が付くと『独占禁止法』を持ち出して、並行品の差別的扱いの禁止を盾に問題提議を
始めます。
 
ですが、この法律もよく勉強してみると並行品の修理を業者が絶対にしなくてはいけないってコトは無いようで、
どうも条件として『代理店が修理に対応できない客観的事情がある場合』には修理を拒否しても問題ないようで、
例えば、国内仕様と違っていたり、自社販売ユーザーからの修理が立て込んでれば、修理やメンテをお断りしても、
業者にはお咎めはないようです。
 
つまり、輸入販売する段階で業者がメーカーに日本仕様を特別に作らせれば、事実上、外見は似たような感じの
銃であっても修理を拒否出来るんですよ
 
 『仕様が違うんで分りません』
 
って(笑) 
 
そして『だったら補修パーツを販売してくれ』と言われても
 
 『仕様が違っていて、パーツが適合するか不明で、事故の可能性もあるのでお売り出来ません。』 
 
となれば建前上はパーツの販売すら断れる訳です。
 
つまり、個人輸入した銃に使われてるパーツが、国内で販売しているモノと同じかどうかは、ユーザー側が
証明するしかありませんが、その為には、国内仕様の銃を入手して調べる必要がある訳です。
 
とうぜんこれらのコトを裁判で争う方法もあるでしょうが、代理店だって『独占禁止法』を知らない訳はないので、
その対策はされているでしょうから、アホ程お金があって、戯れに裁判でも起こすなら別ですが、そうでなければ、
安いと思って銃を個人輸入しても結局は高いモノとなるでしょう。
 
それでは、安いと思って銃を個人輸入した人が、実際に修理に直面したらどうなるのか・・・?
 
結局、自分で修理すると言ってた人も、細かいパーツの入手には苦労するようで、最終的には銃砲店を
アテにするようです。
 
ただしコレが過去にどこかの銃砲店で銃を買った実績があると、『お願い!』と店主を拝み倒して修理をして
もらったりするようですが、コレが最初の銃の場合、銃砲店と付き合いが無ければかなり悲惨なようでして、
知人の1人が偶然、とある銃砲店で故障した個人輸入の銃を持ち込んだ方に遭遇したそうですが、見ていて
気の毒になるくらい恐縮して頭を下げて修理をお願いしていたそうです。(方々で断られたらしいです)
 
個人輸入した銃やモノの修理に関して、ネット上では耳障りの良い強気な意見が散見されますが、言葉にするのは
簡単でも、実際に手を動かす段階になれば言うほどラクなモノではないので、ネット上の情報に踊らされるコトなく、
自分でキチンと調べて確証を持ってから行動に移しましょう、でないと困るのはアナタ自身です。